E50エルグランドのVIPカスタムを振り返り!
昨年のジャパンモビリティショーで新型が発表され話題の日産「エルグランド」。本記事では高級ミニバンの元祖・初代(E50型)の究極カスタムを振り返る。日産「シーマ」のバルカンヘッドライト移植や芸術的なワイドボディなど、当時のVIPスタイルを極めた圧倒的存在感となるユーザーカーの全貌を紹介する。
イベント会場で視線を独占!ワンオフ加工が随所に光る
2025年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2025」において、日産 新型「エルグランド」が発表され、大きな話題を呼んだ。その新型は夏に正式発売と噂されているが、そこで本記事では前回に引き続き、高級ミニバンという新たなジャンルを切り開いた初代である日産 エルグランド(E50型)のカスタムについて振り返る。同車は広いボディと押し出し感のあるデザインを生かし、1990年代後半から2000年代前半にはミニバンカスタムにおいてVIPスタイル(高級セダンなどをベースとするカスタマイズ手法)のベース車両としても絶大な人気を集めた。今回紹介する一台は、そのVIPスタイルを極限まで追求したユーザーカーだ。
驚きの造形を誇るエクステリアとワイドフェンダーに目を奪われる
まず目を奪われるのは、当時流行していた大型のバンパーエアロだ。このフロントエアロバンパーはスピリッツ製であり、それをベースに大幅加工されている。さらにフロントフェンダーはブリスター化(フェンダーを大きく膨らませる加工)され、ドアサイドには輸入車のカスタマイズを連想させるフェンダーダクト風デザインを立体的な造形で採用している。単にワイド化するだけではない。ボディラインとの一体感を重視したデザインによって、純正では味わえない存在感を手に入れているのだ。
リアフェンダーも自然なボリュームアップを実現している。前後フェンダーのバランスを丁寧に整えることで、ワイドボディでありながら違和感のないシルエットに仕上げられている。その芸術的ともいえる造形は、このクルマにおける最大の見どころである。
さらに注目したいのがヘッドライトである。日産「シーマ」(F50型)のバルカンタイプ(多連装プロジェクター式ライト)を純正ヘッドライト内に加工して投入。当時、人気のカスタマイズ手法ではあったが、純正内に埋め込むことでその持ち味をスポイルすることなく見た目は自然に仕上がる。ただナイトシーンではバルカンの存在感がより際立ち、格別な存在感に引き立てている。当時としても非常にインパクトの強いカスタマイズであった。それにシックスセンス製ウインカーポジションシステム(ウインカーを常時点灯させる装置)も組み合わせることで、さらなる完成度が高められていた。
こだわりの足回りと華やかなインテリアを採用
足元にはロディオドライブ・キャバリーを装着している。19インチサイズ(フロント=10.0J、リア=12.0J)でありながら前後で異なる太さを採用し、ワイドフェンダーとの組み合わせによって圧倒的な迫力を演出している。足回りはエアダイン製エアサスペンション(空気圧で車高を調整する懸架装置)により、イベント会場では地面に吸い付くような低い車高を披露する。
マフラーは寺山スペシャルと当時大流行したセッション製トレゾアを組み合わせたワンオフ(完全特注)仕様となっている。エクステリアだけでなくサウンドにもこだわり、細部に至るまですべてオーナーのポリシーが貫かれているのだ。
インテリアにはLED間接照明やイタルボランテ製ステアリング(ギャルソンとのコラボレーションモデル)を採用している。さらにアゼスト製オーディオを組み合わせるなど、2000年代のカスタマイズカーらしい華やかな室内空間を演出している。
ライバルモデルとともに花開いたラージミニバンのカスタム文化である。
異なる車種のパーツ流用やワンオフ加工、そして大胆なフェンダーメイクがおこなわれていた当時のカスタムシーン。だからこそ生まれた自由な発想が詰め込まれたこの日産 エルグランドは、迫力とオリジナリティを高い次元で両立している。まさにVIPミニバンを代表する一台といえるだろう。
また、こうしたスタイルは日産 エルグランドだけのものではない。トヨタ「アルファード」が登場する以前、ラージミニバン市場ではトヨタ「グランビア」もライバルとして存在感を放っていた。両モデルともVIPスタイルを軸に、ワンオフのオーバーフェンダー(純正より拡幅したフェンダー)や極太リムの大径ホイールを組み合わせた大胆なカスタマイズが数多く生み出されており、それぞれの個性を競い合っていたのである。
これらの写真の撮影は2004年前後だ。当時のイベント会場を振り返ると、メーカーは違っても目指す美学には共通点が多いことに気づく。2000年代前半ならではのラージミニバンカスタム文化が花開いていたことがよくわかるのである。
