新色アーバンカーキと専用グリルでタフネスを強調!トヨタ「カローラクロス」Zアドベンチャーの専用装備
都市型SUVとして人気を集めるトヨタ「カローラクロス」に、カローラ誕生60周年を記念した特別仕様車「Z Adventure(Zアドベンチャー)」が設定された。流麗で街乗りのイメージが強い同車が、なぜ今ゴツゴツとしたラギッド(無骨)な路線へ舵を切ったのだろうか。新色アーバンカーキがもたらす視覚的な変化や、北米仕様を彷彿とさせる純正オプションのディテールに注目し、カスタムベースとしての実力を掘り下げる。
新色アーバンカーキと専用グリルでRAV4譲りのタフネスを演出する
カローラクロスのキャラクターを大きく変えた最大の要因は、新たに設定されたボディカラー「ブラック×アーバンカーキ」と「ブラック×マッドバス」にある。この色合いからも推測できるように、Zアドベンチャーは単なる街乗りSUVという枠組みを超え、週末のアウトドアシーンを強く意識したモデルへと進化している。
エクステリアに目を向けると、凹型ハニカムデザインのフロントグリルを採用している。さらに、前後バンパーにはスキッドプレート(車体下部を保護する金属風の板)を思わせる専用意匠を取り入れた。これにより、兄貴分にあたるトヨタ「RAV4」を彷彿とさせる、力強くタフなイメージをまとっている。
もちろん、駆動方式は2WDモデルがベースとなるため、岩場を走破するような本格的なオフロード走行を目的とした車両ではない。しかし、昨今のトレンドであるキャンプやフィッシングといったライトなアウトドアシーンに、純正のままで自然と溶け込む雰囲気を手に入れられることが最大の魅力だ。日常使いの快適性を損なわずに、非日常のワクワク感を味わいたいという現代のユーザーニーズを的確に捉えている。
走りのGRスポーツと野性のZアドベンチャーで個性を明確に分ける
今回のマイナーチェンジでは、スポーツ志向を高めた「GR SPORT(GRスポーツ)」も同時に設定されている(5月23日に設定)。
これはつまり、カローラクロスというひとつの車種のなかに、オンロードでの小気味よい走りを楽しみたい層にはGRスポーツ、自然のなかでアウトドアスタイルを満喫したい層にはZアドベンチャーという、まったく異なるふたつの選択肢を用意したことになる。
これまでは「扱いやすい優等生」という印象が強かったカローラクロス だが、ユーザーの多種多様なライフスタイルに合わせて最適な仕様を選べるSUVへと成長した。都市部でのスマートな移動手段にとどまらず、所有する喜びをよりパーソナルな次元へ引き上げた点も、目の肥えたクルマ好きの間で話題を集めている要因である。
TOYOTAロゴやメテオコートなどディーラーオプションでUS風に仕上げる
さらに興味深いのが、ディーラーで装着できる純正オプションパーツの存在だ。標準仕様のフロントグリルには歴代カローラを象徴する「C」マークの専用エンブレムが装着されている。しかし、ディーラーオプションを活用すれば、これを横文字の「TOYOTA」ロゴへ変更することができる。北米市場で活躍するトヨタ「タコマ」やトヨタ「4ランナー」といったアメリカントヨタのSUVを思わせるスタイルとなり、フロントフェイスの印象を劇的に変化させるユニークなアイテムだ。
加えて、フロントロアバンパーやフェンダーアーチモール、サイドロアモール、リアロアモールには、「メテオコート」と呼ばれる特殊な表面処理を施すオプションも設定されている。これは、凹凸感のあるゴツゴツとした質感を生み出す特殊塗装で、未塗装樹脂パーツの存在感をより一層引き立てる効果がある。四輪駆動車らしいラギッドな雰囲気を効果的に演出してくれるのだ。
これらの装備はセットオプションとして用意されているため、あれこれと悩むことなく、装着するだけでクルマ全体の雰囲気をガラリと変えることができる。社外品を用いた大掛かりなカスタムを施さなくても、自動車メーカー純正ならではの完成度で、安心してアウトドアテイストを楽しめるのは嬉しいポイントである。
【AMWノミカタ】
このZアドベンチャーは自分好みに仕立てるカスタムベースとしても非常に面白い素材だ。日本の狭い道路事情や駐車場にもちょうどいいボディサイズを持つカローラクロスは、サスペンション交換によるリフトアップ(車高上げ)などの大掛かりな加工をしなくても十分に映える。たとえば、純正ホイールにゴツゴツとしたトレッドパターンを持つオールテレーンタイヤ(全地形対応タイヤ)を組み合わせるだけで、足元から力強いラギッドな雰囲気を醸し出すことができる。
メーカーが用意した純正ディーラーオプションをベースに組み合わせ、さらにタイヤ交換やルーフキャリアの追加といったライトカスタムを施せば、世界に1台だけの頼れる相棒へ仕立てることも決して難しくない。つまり本格的なヨンク性能は要らないまでも、ライトなヨンクテイストを楽しみたい人には最適な選択肢というわけだ。
GRスポーツで舗装路のコーナリング性能を追い求めるか、それともZアドベンチャーで泥や土が似合う野性味を楽しむか。2026年に誕生60周年を迎えたカローラシリーズは、今回のマイナーチェンジによって、これまで以上に「自分らしさ」を投影できる懐の深いSUVへと進化した。泥はねすらも美しい模様に変わる、そんな週末の冒険へと駆り立てるZアドベンチャーの登場は、日本のSUV市場に新たな刺激をもたらすはずだ。
