BMWはグッドウッド2026で、M3の40周年を軸に歴史的レーシングカーと話題のEVコンセプトを一堂に並べる
BMWは2026年7月9日から12日まで英国ウェストサセックスで開かれるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、名車「M3」の生誕40周年を祝う。ル・マンで初公開されたばかりの電動コンセプトから最新の電気自動車、そして最後のターボF1勝利を飾った歴史的マシンまでを一堂に会する構成だ。丘を駆け上がるヒルクライムと展示スタンドの両面から、ブランドの40年と次の時代を見せる。
BMWは2026年7月9日開幕のグッドウッドで2つの「40周年」を祝福する
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、1993年に第11代リッチモンド公爵(当時のマーチ卿)が始めた世界最大級のモータースポーツイベントだ。私有地の丘を舞台とする約1.9kmのヒルクライムに、往年の名車から最新モデルまでが集う。2026年は7月9日から12日までの4日間の開催となる。
この舞台でBMWが掲げるテーマは、ふたつの40周年である。ひとつは1986年に登場した名車M3の誕生から40年という節目だ。もうひとつは、同じ1986年にメキシコグランプリで記録した、ターボエンジン搭載車による最後のF1勝利となった、1.5リッター4気筒のBMW M12/13エンジンを搭載したベネトンB186マシンとなる。これらのヒストリックカーと走行や最新モデルの展示を通じて、BMWの歩みを来場者に伝えるという。
電動Mの未来を示す「Mコンセプト ノイエ・クラッセ」がイギリスに初上陸
今回の展示で最も注目を集めるのが、Mコンセプト ノイエ・クラッセのイギリス初公開だ。このコンセプトカーは2026年6月、ル・マン24時間レースの舞台で世界初披露されたばかりで、完全電動化に向かうMの方向性を象徴する。グッドウッドのBMWスタンドで実車を間近に見られる貴重な機会となる。
核となるのは、専用開発された駆動システム「BMW M eDrive」である。第6世代のノイエ・クラッセ技術(BMWの次世代EV技術)を基盤とし、4基の電気モーターを搭載する。ホイールごとの駆動制御を束ねるのが、高性能コントロールユニットと「BMW M ダイナミック・パフォーマンス・コントロール」だ。表現力豊かなデザインと高い走行性能、そして革新的な素材を組み合わせ、Mらしいダイナミクスと俊敏性、精密さを電動時代へと引き継ぐ狙いがうかがえる。
M2やM3ツーリング24Hがヒルクライムを駆け上がり最新EV3台がスタンドを飾る
ヒルクライムには走行性能を高めた実車も投入される。新開発のMパフォーマンス・トラック・キットを装着したM2。それに加えてBMW Mモータースポーツのドライバー、ケルビン・ファン・デル・リンデが、レーシングカーのM3ツーリング24Hを走らせる。この車両はニュルブルクリンク24時間レース(ドイツで開催される世界最大級の24時間耐久レース)でSPXクラス優勝と総合4位を獲得した俊足マシンだ。ちなみにタイヤは、ヨコハマADVANという組み合わせだ。
BMWスタンドには電動化を進める最新モデルもそろう。今年イギリスで発売された新型iX3に加え、6代目のeDrive技術を基盤とし800Vアーキテクチャを採用した完全電動のiX5、さらに7代目となる新型7シリーズが並ぶ。フラッグシップサルーンのi7 M70 xDriveは、システム総合出力680psを発揮する。さらに世界発売に先立ち、新型i3 50 xDriveがイギリス初披露される。2026年3月の発表以来、強い需要を集めるこの1台は、最長563マイル(約906km)という電動航続走行距離をうたっている。
歴代M3パレードとベネトンB186/BMWなど歴史的マシンがブランド40年の軌跡を披露
40周年を祝う目玉のひとつが、開幕日の9日に予定されている歴代M3のパレードだ。ヒルクライムコースに、各世代のM3が1台ずつ登場する。1986年にホモロゲーションモデル(レース出場資格取得用の市販車)として生まれた初代のE30 M3から始まり、2011年に限定生産されたE92 M3 GTSなど、各世代のM3代表車種がそろう。個人所有車とBMW UKのクラシックフリートが混在する構成で、名車の進化を一望させる。
BMWグループ・クラシックも歴史的な車両とドライバーを招く。E46世代のM3 GTRやE92世代のM3 DTM、伝説的なV12エンジンを積むマクラーレンF1 GTRなどが丘を駆ける。目玉は、完全レストア(修復)を終えた1986年型のベネトンB186 F1マシンだ。この車両は1986年のメキシコグランプリでF1最後のターボエンジン搭載車両でのウイニングマシンとなっており、ゲルハルト・ベルガーとベネトンチームにとって初のF1優勝を記録した1台でもある。会場ではクリスチャン・ダナー(元F1ドライバーで、現在はBMWグループ・クラシック部門のアンバサダーであり、専属デモランドライバー)がステアリングを握る。
伝統のM3から最新の電動コンセプト、そして最後のターボエンジンF1優勝車両まで、BMW40年の歩みと次世代モータリングが一堂に会する今年のグッドウッドは、BMWファンならずとも見逃せないイベントとなりそうだ。
