フィアット500から乗り換えた金山真美さんは、サーキット走行をきっかけにレカロやバケットシートなどでアバルト595を仕上げていった
可愛い見た目のなかに、サソリの毒針のような戦闘力を秘めたアバルト「595」。金山真美さんはフィアット500からこの1台に乗り換え、先輩に誘われて走った筑波サーキットTC1000でスポーツ走行の楽しさに目覚めた。レカロ製シートやタイヤを1つずつ加えるたびにタイムが縮まり、いまや「自分専用のハンドルが欲しい」と語るまでに。カスタムの理由を取材した。
フィアット500のツインエアからアバルト595に乗り換えた理由とは
金山真美さんの愛車は、フィアット「500」のツインエアからの乗り換えで手に入れたアバルト「595」である。アバルト595は、フィアット500をベースにエアロパーツや専用のインテリアパーツを装備し、アバルトブランドで販売されたモデルだ。コンパクトなハッチバックスタイルのボディに1.4Lの直4 DOHCターボエンジンを搭載する。アフターパーツも豊富にそろい、人気モデルとなった。車両は2024年で生産を終えている。
買い替えの背景には、年式と走行距離のタイミングがあった。
「ずっと乗りたいとは思っていたんですけど、年式とか距離とか、ちょうど買い替えのタイミングで、そろそろどうかなっていう話になって。そもそも販売終了になっていたので、もうなくなっちゃうよって。あとは、主人の熱い要望もあったんですけど」
すでに販売終了が決まっていたことも、決断を後押しした。
金山さんのアバルト595はサーキット走行を経てレカロやバケットシートを装着
金山さんのアバルト595には、ASSO製リアキャンバーシム、エアクリーナー、強化アクチュエーター、レカロ製バケットシート、スリーハンドレッド製6点式シートベルトなどが組まれている。これらは、はじめからではなく、サーキット走行を体験してから加えたパーツばかりだ。きっかけは、所属するアバルトのクラブの先輩からの誘いだった。
「所属しているアバルトのクラブがあるんですけど、その先輩に走ってみようよって誘ってもらって、筑波サーキットのTC1000を走って。もう走り方も何も分からないので遅かったですね」
はじめてのサーキット体験を振り返る。初のサーキット走行は、楽しさと怖さが同居するものだった。その体験が、カスタムへの入り口になった。
レカロ装着で1秒短縮! パートナーと二人三脚で進めたアバルト595のカスタム
金山さんのカスタムは、一緒にクルマを楽しむパートナーの助言で進んでいった。パートナーにも話を聞いた。
「最初は本当にどノーマルで。それで身体がすごく暴れるから、レカロを入れて次の月にまた行ったんですよね。そうしたら1秒くらいタイムが縮まったんですよ。やっぱり身体が収まるといいんだなと思って。その後、先輩が新しいのに履き替えるというから、古いタイヤを譲り受けたら、また少しタイムが上がって。ステアリングもエアクリーナーも先輩のお下がりで。アクチュエーター(電気信号で機械を動かす駆動装置)は自分で買ったんですけど、一度手放して、今は先輩から譲ってもらったのを付けています」
と、二人三脚の歩みを明かす。
シートを換えるとタイムが縮まり、タイヤを換えるとさらに上がる。クラブの先輩から譲り受けたパーツを重ねながら、少しずつクルマを仕上げてきた。ひとつのパーツが次のパーツを呼ぶように、カスタムは自然に広がっていった。
金山さんが欲しいのは着脱式で小径の「自分専用ステアリング」
今後のプランは、車高を落とすことである。街乗りの割合が多いため、乗り心地を考えてダウンサスではなく車高調を選びたいという。現在は、さまざまな車高調を乗り比べている最中だ。乗り比べる相手はショップのデモカーではなく、オーナー車両がメインになる。アバルトのクラブに入っているため、車高調を装着したクラブ員のクルマに乗せてもらえるからだ。
さらに、装着したいパーツがもうひとつある。
「自分のハンドルが欲しいんですよ、あのハンドル外せるやつで。自分に合った、もうちょっと小さいハンドルがいいなと思っているんですけど」
パートナーが乗ることもあり、現状はステアリングを共用している。脱着式にすれば、自分専用の小径ステアリングで運転できる。それが金山さんの願いだ。
今回のA PITサーキットチャレンジに参加した目的は、サーキットを走ることだけではなかった。パートナーに勧められた、プロドライバーによる同乗レッスンも狙いのひとつである。課題は、どこまでアクセルを踏み込めるかと、ブレーキのかけ方だった。自身のクルマで蘇武選手の横に乗ってレッスンを受けた金山さんは、同じクルマなのに、自分が運転しているときとの挙動の違いに驚いたという。サーキットを走りはじめたことで、金山さんのカーライフは大きく広がった。愛車とともに成長を続ける姿勢からは、クルマと過ごす時間そのものを慈しむ気持ちが伝わってくる。
