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中身はトヨタの2JZ。1967年式プリンス・スカイラインを4速ATで走らせるカスタム

日産 プリンス・スカイライン:BOSCHとKOITO製を組み合わせたヘッドライト。クラシカルなメッキバンパーとともに、プリンス時代特有の気品ある表情を作り出している

トヨタの2JZエンジンを積む。1967年式プリンス・スカイライン

一見すると3代目となる日産「スカイライン(通称ハコスカ)」のようにも見えるが、ボディ形状がどこか異なるクラシックカーが存在する。これは日産自動車と合併する前のプリンス自動車が開発し、合併後の1967年に販売された「ニッサン・プリンス・スカイライン(S57型)」である。この希少な旧車のボンネット下に、トヨタの3リッター直列6気筒「2JZ型エンジン」を換装した驚きのカスタムカーの詳細を解説する。

4気筒モデルのS57型に直列6気筒エンジンを収めて快適な走りを実現

外観はオーバーフェンダーが装着されている程度で、クラシックな欧州車的雰囲気を色濃く残している。しかし、ボンネットを開けると驚くべき光景が広がっているのだ。そこには、トヨタ「スープラ(80型)」などに搭載された3リッターのDOHCユニット「2JZ型エンジン(自然吸気)」が美しく収まっている。

ベース車両であるS57型は、本来1.5リッター直列4気筒のG15型エンジンを搭載するモデルであり、直列6気筒のG7型を搭載していたのは上位グレードの「スカイライン2000GT(S54型)」である。本来は直列4気筒を搭載するS57型の短いエンジンルームに、現代のトヨタ製直列6気筒である2JZ型をスワップするには、マウント位置の最適化など高度な技術と緻密な計算が必要不可欠となる。

今回、ターボモデルである「2JZ-GTE」ではなく、あえて自然吸気(NA)の「2JZ-GE」を選択している点にもオーナーの深いこだわりが感じられる。NAならではのスムーズなトルク特性と素直なレスポンスは、半世紀以上前となるクラシックカーの車体剛性や4速ATとのマッチングにおいて非常に扱いやすい。まさに、街乗りを主眼に置いた快適なクルージングに最適なパワーユニットと言える。

サイズ感としては、かつてのG7型エンジンよりも2JZ型の方がコンパクトな側面もあり、補機類も含めてエンジンルームへすんなりと収められている。さらにトランスミッションには4速ATが組み合わされており、元の気難しい仕様よりもはるかに扱いやすく、日常的にドライブができる仕様へと進化しているのだ。

スバル製ブレーキや現代のタイヤで足回りをアップデート

エンジンだけでなく、走りを支える足回りにも他メーカーの部品が巧みに流用されている。ブレーキ系は日産製のマスターシリンダーに、スバル製の4POTキャリパーを組み合わせてストッピングパワーを強化している。

オーバーフェンダーに収まるホイールは、RSワタナベの16インチ8スポークを選択している。タイヤはミシュランのパイロットスポーツ(フロント205/45、リア215/45)を履いており、強大なパワーを受け止め、現代の交通事情でも安心して走れるグリップ力を確保しているのだ。

独自の歴史を感じさせる味わい深いインテリアに仕上げる

インテリアもクラシカルな雰囲気を大切にしながら作り込まれている。雨漏りでボロボロだったというシートは修理と張り替えが行われ、ヘッドレストのない縦ラインのデザインが時代を感じさせてくれる。

ステアリングはナルディ製を選択し、メーター類は「54DX」用の横長タイプに変更されている。さらに、BOSCHとKOITO製のヘッドライトが装着されており、オーナー自身が購入後に後付けしたというクーラーも備わっているため、真夏のドライブも快適にこなすことができる。旧車としての味わいを残しつつ、実用性をしっかりと高めている。

メーカーの垣根を越えて旧車を楽しむ大人のロマンを体現

純正の状態を維持することも旧車の楽しみ方のひとつだが、この車両のように現代の道路事情に合わせて楽しく乗れるようカスタマイズすることも、またひとつの正解である。

日産(プリンス)の歴史的なボディに、トヨタの心臓部とスバルの制動力を組み合わせる。メーカーの垣根を越えて自分だけの快適な1台を作り上げるという行為は、クルマ好きがたどり着くカスタマイズの到達点と言える。歴史的価値に過度に縛られることなく、大好きな旧車で気負わずにドライブへ出かけるという自由なカーライフを体現しているのだ。

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