ラグジュアリーとパワーの大胆な表現
ロールス・ロイスは、2024年10月に発表した「ゴースト シリーズII」とロングボディ版の「ゴースト エクステンデッド シリーズII」の国際試乗会の画像を公開しました。今回は、ウィッタリングブルー、ヴァリビアンライム、ジュビリーシルバー/ブラックのエクステリアカラーで彩られた3台の「ブラックバッジ ゴースト シリーズII」に焦点を当て、ゴースト シリーズIIをおさらいします。
強力なV12エンジンがハイパワー設定で搭載
ロールス・ロイスは「ゴースト シリーズII」と同時に、最も俊敏でドライバーにフォーカスした「ブラックバッジ ゴースト シリーズII」を発表した。このモデルは通常モデルより29psパワフルな6.75L V12ツインターボを搭載するハイパワー仕様となり、さらにブラックバッジ・プラナー・サスペンションシステムと全輪駆動、全輪操舵シャシーを備えるパフォーマンスモデルでもある。
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIのエクステリアの特徴は、繊細でありながらインパクトのあるデザインにある。最も重要なスタイリングはロアグリルで、ブラックバッジ ゴーストとして初めて独自のスタイリングが施された。
スピリット・オブ・エクスタシー、パンテオングリル、サイドに取り付けられた「バッジ・オブ・オナー」などはロールス・ロイスの特徴であるブラッククローム処理が施されている。この効果を生み出すために、従来のクロムメッキ工程に特別なクロム電解液が導入され、ステンレス鋼の下地に共析されることでダークな仕上がりとなる。ブラックバッジ ゴースト シリーズでは初めて、ドアハンドルにもブラックフィニッシュが施され、暗黒な世界観をさらに押し広げている。
足まわりは22インチのパートポリッシュ仕上げの7本スポーク鍛造ホイールを装着する。ハイパワーV12エンジンとシャシー技術の機械的な複雑さを映し出すようにスタイリングされたこのホイールは、視覚的な質量を抑え、スポーク形状を細くすることで、力強いディスクブレーキがはっきりと見えるようになっている。
インテリアはカーボンファイバーの精巧な仕上げ
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIは、ガラス製フェイシアの下とインテリア全体に、丹念に仕上げられたテクニカルカーボンを採用している。職人たちは、ブラックのボリバル・ウッドをベースに、カーボンファイバーとメタルファイバーで複雑でありながら控えめなダイヤモンド・シェイプの織り合わせ方を考案。
樹脂コーティングされたカーボンとコントラストの効いたメタルコーティングされた糸で編み込まれたリーフ模様は、ダイヤモンド模様に手作業で敷き詰められ、立体感を生み出している。その後、各パーツは100℃の圧力下で1時間硬化させた後、表面をサンドブラストし、光沢のある仕上がりになるまで磨き上げられる。
AMWノミカタ
どれも鮮やかでロールス・ロイスらしい斬新な色使いが特徴であるが、とくにブラックバッジ ゴースト シリーズIIのラグジュアリーと精悍さのバランスに心を奪われる。エクステリアの精悍さだけではなく、標準モデルよりも29ps多くのパワーと50Nm多くのトルクを発生するさらに強力なV12ハイパワーエンジンを搭載してきているところにも、単なるコスメティックの変更でバリエーションを増やしたように見せかけるようなことはしない、ブランドとしての良心を感じることができる。
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIのホームページには「内なる反骨精神を解放せよ」という刺激的なコピーが使われている。ロールス・ロイスというクルマはもはや保守本流を象徴する成功者のためのクルマではなく、あらゆる限界に挑戦し、今を生きる人生のチャレンジャーたちに向けて作られているように思える。創設者たちの飽くなき挑戦のスピリットは120年後の現代にも生き続け、そしてそれが本気だからこそ、目の肥えたオーナーにも共感を得ているのであろう。
