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マツダ「RX-7 IMSA仕様」かと思ったらNA型「ロードスター」でした! エンジンは「RX-8」のロータリーを搭載…ランニングコストも考慮

マツダ ロードスターをベースにIMSA仕様のマツダRX-7(SA22)を再現した

ルックスに完全に騙された1台

2025年1月10日〜12日に開催された東京オートサロン2025。会場を練り歩き出会ったのが、IMSA仕様のマツダ「RX-7(SA22)……と思いきや? 今回は、ルックスにすっかり騙されてしまった1台を紹介します。

ロードスターをベースにIMSA仕様に

パッと見は1979年にデイトナ24時間レースでワン・ツー・フィニッシュを成し遂げた伝説のIMSA仕様のSA22C型マツダ「サバンナRX-7」のように見えるが、近づいてよく確認すると少し小さく感じる。そのまま1周ぐるりとフロントからリアに回ると「あれッ」と気づく。このクルマの正体は、見た目がRX-7ルックだが中身は「ロードスター」(NA6C)だったから驚きだ。

展示していたブースが、強者RX-7乗りだらけのロータリーエキシビジョンだったこともあり、違和感を感じることなく懐かしのサバンナかと思ってしまったが、じつは完全に違っていた。筆者以外にも引っかかるか、クルマの横でしばらく様子を見ていていたが、このトリッキーな作り込みに皆やられてしまう様子。スペックボードを眺めながら多くの人たちが驚き、のけぞる光景が見られた。

このマシンを製作したのはマニアックなチューニングが得意のガレージIだ。装着している外装パーツについて話を聞くと、RX-7 IMSA仕様にするべく、フロントバンパー、リップスポイラー、前後フェンダー、サイドステップ、リアハッチゲート、リアサイドパネル、リアスポイラーの7点を交換しているとのこと。

あえて丸みを帯びているのが特徴

オリジナルマシンであるIMSAマシンは、もっとシャープな印象だが、このクルマの場合は、オリジナルと同じでは面白くないため、よく似ているがベースがロードスターであることをわからせるために、あえて少し丸みを帯びたフォルムにしているのがポイントだ。その狙いから、ノーズはポルシェバンパーによってアピールしているが、ヘッドライトとボンネットは純正のまま、ノーズラインをロードスターに合わせてバランスさせている。

全幅は純正の1685mmに対してワークスオーバーフェンダーを張ったことにより、一番張り出しているところで1870mmまで拡大。このワイドボディに合わせて、往年の名作ワタナベエイトスポークホイールはフロント9J×15、リア10J×15を選択し、タイヤもフロント195/55、リア235/50を履かせていた。

エンジンは13Bを搭載

このクルマ、見た目だけがRX-7 IMSA仕様っぽいというわけではなく、エンジンも乗せ換え、じつは13Bロータリーユニット搭載車という仕様になっている。エンジンは、供給とコストの問題を考えて「RX-8」用パワーユニットを選択した。じつはRX-7用13Bは現在値段が跳ね上がっていて、今後も楽しむなら、ランニングコストの面からもRX-8搭載13Bエンジンの方がお得に楽しめるということだった。

ちなみに、このパワーユニット、やはりロータリーエキシビジョンブースに並ぶ車両としてマニアックなイジり方をしていて、通常ロータリーNAチューンならダウンドラフトが定番になるが、あえてサイドドラフト仕様にアレンジ。その理由は、みんなと同じじゃつまらないから……となるが、もう一方で、あまりいないサイドドラフトも楽しいというメッセージ性を持たせている。

ダウンドラフト仕様の方が横Gに対して強く、サーキット走行などで多くのメリットを発揮するとされているが、このRX-8用エンジンでサイドドラフトを作ってみると、角度的にもちょうど程よくバランスが良い。これなら片寄り時に空吸いも起きないので、あえてのサイドドラフト仕様を採用したとガレージIの代表は話してくれた。

ボンネットを開けた状態で佇むRX-7 IMSA仕様なNA6Cロードスターは、レプリカとは違った意味で楽しめるクルマに仕上がっていた。オーバーフェンダー装着のスパルタンなルックスは、ロードスター乗りにとっても、コレって良いかも! そう思わせてくれる完成された1台だった。

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