ヨーロッパではジムニーの販売が終了
スズキ「ジムニー ノマド」がついに発表され、日本のメディアやソーシャルメディアでは大盛り上がり。発表から5日で5万台の受注となり、早々に予約停止となるなど、その人気の高さは絶大です。その一方で、ドイツをはじめとするヨーロッパでは「ジムニー」の新車販売が終了となっています。ヨーロッパでのジムニー事情について、お届けします。
ドイツではジムニーが商業車として約470万円で販売されていた
軽自動車規格がないドイツやヨーロッパでは、日本のスズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」がスタンダード規格として販売されていました。しかし、EU(ヨーロッパ連合)の厳格な排ガス基準に適応させるにはあまりにも高額な設備や検査費用が必要となることから、苦肉の策として後部座席を取り外した商業用車両として販売されていたのです(商業車には乗用車の排ガス基準値は適用されません)。アウトドアや趣味で利用する方には、後部座席がもともとないクルマは広々としていますし、むしろこちらの方がありがたいかもしれませんね。
日本では200万円前後で購入できるジムニーですが、ドイツでは非常に高額でした。ちょっと思い切って予約しちゃおうか、とはなかなか言えそうな金額ではありません。ましてや、すでに2024年に新車販売は終了しているので、ドイツをはじめとするヨーロッパでジムニーを欲しい方には在庫車か中古車しか手に入れる手段はありません。
ドイツで販売されていた新車価格は2万9490 ユーロ(付加価値税19%込)で約470万円でした。日本で半額以下で販売されているとは驚きです。日本の消費税にあたるドイツの付加価値税は19%とほぼ日本の倍で、輸送費や関税を考えても高いと感じてしまいます。
ドイツでは除雪装置を装備したジムニーが活躍中
日本人の知人からは、「なぜ日本車に乗らないの? ドイツ車より日本車は故障が少なくて安心よ」などとアドバイスをいただくことがあります。しかし、ドイツで販売されている全日本車が日本よりも随分と割高なうえ、将来帰国した際には数多くのさらに魅力的なモデルのラインアップから選ぶことができるので、あえていまドイツでの生活で日本車を購入しなくてもいいかな、と思っています。
ドイツ生活では、ドイツ車を思い切りエンジョイします。憧れは真っ赤なポルシェですが、どう逆立ちしても購入と維持ができる財力を持ち合わせていませんので、アウトバーンの走行中にはバックミラーでポルシェを見かけたら車線を変えて譲り、窓を開けてそのサウンドを聴く準備をしています。ただ、最新のポルシェはあのエキゾーストノートがかなり控えめで残念です。
話はそれてしまいましたが、中古車情報サイトでジムニーの中古価格をチェックしてみると、新車価格を大幅に上回る価格も数多く見かけ、極端な値下がりはまったく見られません。所有されているオーナーさんたちは、かなり良い価格でリセールできそうで安心ですね。
さすがに結構な高額なので数多くは見かけませんが、とくに冬の時期にはスノープラウを装着したジムニーが、建物の管理会社や管理人さんの作業車として大活躍しています。走行中のジムニーを見かけると、思わず目で追ってしまいます。日本で一旦は受注停止となったジムニー ノマドですが、予約完了となった方も、今後の予約に備えてお待ちの方も、そのワクワク感は堪らないでしょうね。
