サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

約7455万円で「カウンタック 5000S」が売出中! CNNが「イタリアン・スーパーカーの決定版」と大特集した個体でした

50万ドル~60万ドル(邦貨換算約7455万円〜8945万円)で現在も販売中のランボルギーニ「カウンタック5000S」(C)Courtesy of RM Sotheby's

321台しか生産しなかった希少なカウンタック5000S

RMサザビーズが2025年2月27日〜28日にアメリカ・マイアミで開催したオークションに、ランボルギーニ「カウンタック 5000S」が出品されました。わずか321台しか生産がされなかった5000Sは、目利きの良い愛好から熱望される1台です。

ガンディーニが手掛けた未来的なスタイリングが話題に

ランボルギーニが1971年のジュネーブショーで発表した12気筒ミッドシップのカウンタックは、かのマルチェロ・ガンディーニの手による、斬新で未来的なスタイリングで大きな話題を呼んだ。しかしながらランボルギーニがすぐに量産化することは、熱対策などさまざまな問題から不可能であり、結局最初のプロダクションモデルである「LP400」が誕生するまでには1974年のジュネーブショーまで待たなければならなかった。

ミッドに前後逆方向に縦置き搭載されたエンジンはV型12気筒。排気量はプロトタイプのLP500で設定されていた5Lから4Lに縮小され、6基のウェーバー製キャブレターとの組み合わせで、375psの最高出力を発揮した。前後のサスペンションはLP500のそれから見直されなかったものの、そのセッティングはロード走行を意識して、ややラグジュアリーな方向に改められた。

数々のマイナーチェンジを繰り返した

LP400を出発点に、カウンタックはスーパースポーツとしての進化を続けていく。1978年には、熱狂的なランボルギーニの支持者であったウォルター ウルフのために特注された、通称ウルフカウンタックのエクステリア・デザインにインスピレーションを得たマイナーチェンジ版の「LP400S」が登場。グラマラスなオーバーフェンダーや、新デザインとなったホイールなど、そのオプティカルな魅力はさらに高まった。

ちなみにLP400SはシリーズI、シリーズII、シリーズIIIに分類することができるが、シリーズIIIは左右のドアやルーフの位置を高めて、乗降時のスムースさを向上させているのも大きな特徴だ。そしてLP400Sは1982年に、今回マイアミオークションに出品された「5000S」にモデルチェンジされるのである。

日常的な扱いやすさとなった5000S

5000Sでの最大のトピックスは、もちろんV型12気筒エンジンの排気量拡大。新たに設定された排気量は4754cc。その恩恵はさすがに大きく、最高出力は375psとそれまでの4Lユニットから変化はないものの、その発生回転数は1000rpmも低く、最大トルクも同様に500rpm低い回転数で発揮していた。つまりカウンタックはこの5000Sによって、日常的な扱いやすさと燃費性能を向上させたことになる。

ほかにも5000Sで変更されたものといえば、ファイナルギアのレシオが高められたことやドアパネルのデザイン、キャビンのスイッチ類など。ニューモデルとしての新しさを十分に感じることができる1台だった。5000Sの生産は1985年まで続き、その間に321台がサンタアガタ・ボロネーゼの本社工場から出荷された。

出品車のシャシーナンバー12598は、現在までの走行距離が3万297km。オークションへの出品は、じつに30年以上ぶりのことになる。2019年にはCNNビジネスの短編ドキュメンタリー番組で出品車が特集され、カウンタックが「イタリアン・スーパーカーの決定版」と称賛される直接の理由ともなった。

RMサザビーズはこの5000Sに50万ドル~60万ドル(邦貨換算約7455万円〜8945万円)の予想落札価格を提示したが、残念ながら今回のマイアミオークションでは落札者は現れなかった。カウンタックの人気がオークションで盛り上がるまでには、まだ若干の時間が必要となるのだろうか。

モバイルバージョンを終了