エアロレスのシンプルなスタイルが魅力
車高を下げるというカスタムにとって王道の技は、ポピュラーゆえにさまざまなジャンルに細分化されるようになりました。エアサスのような自在に車高調整できる機能を持たず、車高調整式サスキットで限界まで車高を下げる「ナマ足」というのもひとつのジャンル。今回紹介するトヨタ「アルファード」は、エアロなどを装着しない純正フォルムで車高を下げるという「純ベタ」というスタイルを極めた1台です。
リアバンパーに目立たないモディファイを発見
「見た目はシンプルなんですが、エアロでごまかせないぶん車高を下げるのも大変なんです。トヨタ アルファードはこれで2台目で、1台目は水没して廃車になってしまったため、約1年半前にこの2014年式を入手して箱替えを行いました」
と、2025年3月23日に茨城県稲フォルニアイベントスペースで開催されたHotsprings(ホットスプリングス)に参加したオーナーの池田さんは話す。
外観を見てみると、純ベタスタイルというとおり、基本的に外観はストックスタイルのまま。しかしマフラーエンドはバンパー下の純正位置では車高を下げたときに干渉してしまうため、リアバンパーを加工してブラックパールのテールエンドを流用した4本出しとしている。これが外観で唯一のモディファイポイント。また、ホワイトのボディに対して濃いシルバーのミラーは、単純に別のボディカラー用を流用したそうだ。
さて、そんな純正ボディにチョイスしたホイールは、WORK VS-XX(F:20×9.5J+7/R:20×10.5J+4)をチョイス。タイヤはフロントは225/30R20サイズ、リアが235/30R20サイズを組み合わせている。
ちなみにホイールのディスク面は特殊な塗装を施すことで、日光が当たると部分的に下から別の色が浮き出てくるそうだ。
エンジン搭載位置の変更など見えない部分に苦労の跡が
外観がノーマルのため手数が少なく思われるかもしれないが、このクルマの詳細を聞くと、逆に「見た目をノーマルのままとするために、見えない部分は普通のカスタム以上に手が入れられている」ということがわかってきた。一般的にエアロを装着したクルマは、車高を下げていくと最初にエアロが地面に接することとなる。
ところがエアロが装着されていないノーマル状態では、車種にもよるが最初に地面に接触するのはエンジンメンバーやエキゾースト関連のパーツとなる。アルファードの場合もメンバーが最初に接触してしまうため、フロントまわりはエンジンの搭載位置をメンバーごと上方に移動。
リアはJ-LINEの加工アクスルを装着し、車軸位置を上方に移設している。これにエアサスを組み合わせることによって、純正バンパーでは不可能なグラウンドタッチを実現しているのだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
