さまざまなカスタマイズと700ccエンジンを搭載するフィアット500L
1969年式フィアット「500L」を操る“hideさん”は、長年憧れていた往年のチンクエチェントを手に入れ、日常とレースの双方で楽しんでいます。かつてはクラシックミニやVW「コラードVR6」にも乗っていましたが、近年になって500ならではの魅力を再発見しました。
小さなイタリア車が集結した幸田ピッコロレース2025に参加
4月20日、愛知県の幸田サーキットyrp桐山で「幸田ピッコロレース2025」が開催された。そこに参加していた“hideさん”は、近年あらためてチンクエチェントの魅力を感じて購入したという。
「大学時代、友人がアルファ ロメオ1750GTVに乗っていて、自分も欲しくてアルバイトをして買おうと思いましたが、当時は1年車検だったので諦めました。結局、ミニマルヤマがメイフェアをクーパー仕様にモディファイしたクラシックミニに乗っていました。22~23歳ころの話ですね。往年のフィアット500は昔から好きなクルマだったのですが、あまりにも非力なので、当時は購入意欲が湧くまでには至らなかったですね。それでも近年、インターネットで得られる情報量が増え、500ならではの魅力がわかってきたので購入しました」
このように語るのは、取材時59歳の“hideさん”。愛車は1969年式フィアット500Lで、2021年に注文し、半年ほどの待ち期間を経て納車された。
「あと10年楽しむ」妻の理解を得て購入
「自分の年齢から判断して、妻に“クルマ趣味を楽しめるのはあと10年ぐらいかな”と伝えたら、購入を許してもらえました(笑)。若いころに乗っていたミニ メイフェアのクーパー仕様と同じく、オリジナルにこだわらなかったので、モディファイ車もアリだなと思っていました」
“hideさん”が頼ったのは、フィアット500や126などのスペシャリストとして全国的に知られる「オートマイスター」。イタリアで探してもらった結果、購入候補が2台に絞られ、そのうち条件に合う1台を選んだ。
サーキット走行も可能なモディファイ仕様のチンクエチェント・ライフは続く
購入時から車体の下まわりのパネルと足まわりはフィアット「126」用、その上に500のボディを架装。エンジンは700ccで、フィアット「パンダ30」用ツーポートヘッドと40φウェーバーキャブレターを組み合わせられていた。“hideさん”が新たに手を加えたところはないが、サーキット走行を十分楽しめる仕様となっている。
「休日の足グルマやレース少々といった使い方をしていますが、購入から約3万km走りました。走行前にオイルやタイヤ空気圧、ナット類の増し締めを確認するなど、簡単には走り出せないところが楽しいですね。片側4車線の右折ラインでエンジンがストールし、再始動できず歩道まで押して退避したこともありますが、ワクワクするクルマなので苦労と思ったことはありません」
ファミリーカーも所有しているが、ワクワク感は500Lに軍配が上がるという“hideさん”。今後の増車予定はなく、幸田ピッコロレースを“トッピング”したチンクエチェント・ライフはまだまだ続く。
