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世界限定500台!ベントレー・コンチネンタルGT史上もっともファンな後輪駆動2シーター「スーパースポーツ」

ベントレー・スーパースポーツ:大型のフロントスプリッターとベントレーのBロゴをあしらったフロントメッシュグリルが際立つ

1925年誕生のスーパースポーツが100年を経て4代目襲名

ベントレーが新型の「スーパースポーツ」を発表しました。666ps/800Nmを発生する4L V8ツインターボエンジンを搭載し、初の後輪駆動化と車重2t未満を達成したコンチネンタルGTです。500台限定販売の究極のパフォーマンスカーは、最大300kg増のダウンフォース、新開発22インチ鍛造ホイール、最大1.3Gの旋回性能など、数値に裏付けられたドライバー志向を徹底したモデルです。

ドライバーとの一体感を重視した4L V8チューニングモデル

新型ベントレー・スーパースポーツは、プロジェクト「ミルドレッド」と呼ばれる極秘開発計画から誕生した。起源は20249月、少数のエンジニアが「後輪駆動で2t未満なら、コンチネンタルGTはどう変わるか」という仮説を立てたことに始まる。わずか6週間で試作車が完成し、その走行性能が社内で強烈なインパクトを与えた。プロジェクト名は1929年にベントレー4½ Litreで単独24時間走破を達成した女性レーサー、ミルドレッド・メアリー・ピートルにちなむ。彼女の限界へ挑む精神が、このモデルの思想そのものと言える。

パワートレインは強化型クランクケース、大型ターボ、改良シリンダーヘッドを備える4L V8ツインターボエンジンにクラッチ強化と新シフト戦略を盛り込んだZF8DCTを組み合わせ、0-100km/h加速3.7秒、最高速度約310km/hを達成。減速時の変速も安定性重視で設定され、ドライバーが積極的に操る際の安心感を高めている。アクラポヴィッチと共同開発のフルチタン製エキゾーストは、V8本来の深く迫力あるサウンドを響かせる。

シャシーは後輪駆動の特性に合わせて全面で刷新。電子制御LSDとトルクベクタリングを併用し、リアトレッドを拡大。リアステアリングも装備され、旋回性能と安定性を両立。ツインチャンバーダンパーや48V電動スタビライザーのBentley Dynamic Rideも採用し、路面追従性と快適性を高次元で両立する。ブレーキは前440mm・後410mmの世界最大級のカーボンセラミックディスクと10ピストンキャリパーを標準で装備している。

軽量化の徹底と空力の追求で強力なダウンフォースを生み出す

空力と軽量化を徹底したエクステリアは、ベントレー史上最大のフロントスプリッター、積層式ダイブプレーン、サイドシル、B字型フェンダーブレード、新設計リアディフューザー、固定式リアウイングなどを装備。これらエアロデバイスにより、コンチネンタルGTスピード比で300kg以上もの追加ダウンフォースを発生する。これは高速域のスタビリティ向上だけでなく、旋回時の荷重移動を最適化し、最大1.3Gの横Gを引き出す。ルーフもカーボン製とされ、軽量化と低重心を両立している。

ホイールはマンタイ・レーシングと共同開発の22インチ鍛造アルミで、タイヤはピレリP-ZEROに加え高性能Trofeo RSが選択可能。Trofeo RS装着時にはGTスピード比で約30%速いコーナリング速度を可能にする。

インテリアは2シーターとなり、軽量スポーツシートとカーボン製リアシェルを採用。遮音材や配線を削ることで大幅な軽量化を実現。素材はレザー、Dinamica、カーボンを中心に構成され、単色・2トーン・3トーンと豊富な選択肢を持つ。500台限定モデルとして、全車に固有シリアルナンバーが与えられる点も特別感を強めている。なお、日本への導入は現在調整中とのことだ。

AMWノミカタ】

「スーパースポーツ」の名前は1925年に登場した3Lスーパースポーツに由来するが、近年では初代コンチネンタルGTに「スーパースポーツ」というモデルが存在した。このモデルは当初純然たる2シーターで発表されたが、後に市場からの強い要望で4シーターも選べるようになった経緯がある。2017年には2世代目のコンチネンタルGTで当時最強の710psW12気筒エンジンを搭載した「スーパースポーツ」も登場する。

今回の「スーパースポーツ」だが、コンチネンタルGTという名前をあえて強調していないことからも、特別な意味を持つことを示している。過去のスーパースポーツのようにベースモデルのパワーアップや軽量化だけにとどまらず、初の後輪駆動や非ハイブリッドのV8エンジンの採用、エアロダイナミクスの強化など、ベントレーが本気でパフォーマンスカーを作ろうとした強い意志が伝わる。

じつは後輪駆動のコンチネンタルGTは今回が初めての生産ではない。後輪駆動のコンチネンタルのGT3モデルが、GTアジアや日本のスーパーGTなどの耐久レースに参戦していた時期があり、輝かしい成績を残している。そういった意味でもこのスーパースポーツはかつてのGT3を想わせ、ベントレー好きにはたまらないモデルとなるだろう。

 

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