NISMOを中核にラインアップ拡充と販売拡大を狙う
日産自動車と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は東京オートサロンの開催に先立つ2025年12月16日、スポーツブランド「NISMO」の新たな戦略を発表しました。経営再建計画である「Re:Nissan」のもと、NISMOをブランド強化の核と位置づけ、今後数年でラインアップを劇的に拡充。レース技術を市販車へ還元する開発プロセスを強化し、ロードカーの車種構成を倍増させ、2028年には販売台数を1.5倍へ引き上げる計画です。
第2世代GT-Rを中心としたレストア事業を拡大
成長が見込まれるヘリテージ・レストア事業にも注力します。世界の自動車レストア市場は現在、約5000億円規模ですが、2032年には1.2兆円規模に成長すると予測されています。
NMC代表取締役兼最高経営責任者である真田 裕氏は、現在展開している第2世代GT-R(R32~R34型スカイラインGT-R)を中心としたレストアやレストモッド(現代的な改修)事業、パーツ販売事業について、対象車種および対象地域を拡大していく方針を明言しました。
「Z NISMO」に待望の6速MT追加と新コンセプトモデルを初公開
この攻めの姿勢を象徴する舞台が2026年1月9日に開幕する「東京オートサロン2026」です。目玉のひとつが同年夏に発売予定の「フェアレディZ」改良型。これまで9速ATのみだったハイパフォーマンスな「NISMO」グレードに、いよいよ待望の6速MT(マニュアル)モデルが追加。その実車をオートサロンで初公開します。また初日の午前中には「NISMOの特別なコンセプトモデル」もワールドプレミアされます。
このほかにもタフな車中泊仕様「エクストレイル ROCK CREEK マルチベッド」や大人のプレミアムEV「日産リーフ AUTECH」など、多様なスタイルを提案。さらに近藤真彦氏の愛車を学生がMT換装して蘇らせた「マッチのマーチ」や、レーシングドライバー松田次生選手ゆかりのGT-Rなど、日産の歴史と情熱が詰まった意欲的なモデル計6台が日産ブースを彩ります。
NISMOブランドの大規模な拡大宣言と、それを具現化するオートサロンでの展示。2026年は、かつてないほどの熱量で「スポーツカーの日産」をアピールする一年となりそうです。
