お洒落なフレンチ7人乗りミニバンが国内デビュー
フランス製の洒落た商用車由来のマルチパーパスビークルをわが国のクルマ好きの間に浸透させた最大の功労者といえば、ルノー「カングー」でしょう。3代目となった現行モデルは、2023年から日本国内での正規デリバリーが開始されました。しかし、本国では設定されているロングホイールベース版は未導入のままで、国内のカングー愛好家からの熱心なリクエストが成就され、新たなモデルレンジ「グランカングー」の導入が決定しました。2026年2月5日から、まずは特別仕様車「クルール」として発売されます。正式発売に先立つ1月17日・18日には国内デビューイベントが行われました。
ボディカラーは従来とは一変してベージュ・サハラに
新型グランカングーをいち早く実車に触れられる国内発表イベントとして開催されたのが「Appartement Renault GRAND KANGOO」である。
会場となった東京・南青山の「SHARE GREEN MINAMI AOYAMA」は青山公園に隣接し、都会の真っただなかとは思えない、あたかもフランスの田舎町の一角を思わせるスペースであった。ルノー・ジャポンによれば「パリのアパルトマンをテーマとした心地よい空間とパティオ(中庭)のような緑あふれる屋外エリアがもたらす特別な雰囲気で、フランス流“人生を愉しむ流儀” と “自由で多彩なもっと遊べる空間”を感じていただける、グランカングーならではの仕掛けを施した」という。
敷地内の瀟洒なカフェに2台、屋外に2台、あわせて4台のグランカングーと、すでに日本導入済みの5人乗りカングー2台が配置された。キャビン内に置かれたさまざまなアウトドアグッズが、その世界観を際立たせている。
展示されたグランカングーは、事実上のローンチエディションにあたる特別仕様「クルール」だ。フランス語で「カラー」を意味する名のとおり、に、これまで歴代のクルールは、いかにもフランス車らしいシックなボディカラーを誇示してきた。しかし、今回のクルールは「冒険心を掻き立てるサハラ砂漠の色」こと「ベージュ・サハラ」一択でのスタートとなった。
カングーファミリーの真打ちになりそうなロングボディ
7人乗りのグランカングーに搭載されるエンジンは、5人乗りカングーのガソリン仕様やルーテシアなどと共通の1.3L直列4気筒ガソリン直噴ターボ。131psのパワーと240Nmのトルクを発生する。
グランカングーは、カングーと基本を共有しつつも、ホイールベースは390mm延長した3100mm、全長は420mm延長した4910mmという雄大なサイズを誇る。スライドドアより後方は完全な新規開発だという。スライドドアの開口部はカングーに比べて180mm広い830mmとされ、乗降性や荷物の出し入れが大幅に容易になった。また、電動開閉機構こそ備えないが、閉める際の力を約7kgに設定するなど、力の弱い人でも扱いやすいよう配慮されている。
2列目(3人分)と3列目(2人分)は全席独立シートとなり、130mmのシートスライドに加え、折りたたみや跳ね上げ、取り外しも可能だ。シートを完全に取り外せば、ラゲッジ容積は最大3050Lに達する。シートアレンジのバリエーションは1024通り(うち走行中に設定可能なアレンジは243とおり)という。ただし、2・3列目の背もたれは安全性と快適性を考慮し、リクライニング機能なしの25度固定とされている。
ところで、グランカングーの導入に時間を要した理由について、プレゼンテーションでは「2023年の“カングージャンボリー”でハッチバックタイプをお披露目して以来、長らくお待たせしました。その理由はひとえに、日本向けにダブルバックドアの開発を行っていたからです」と語られた。
新型カングーでも、リアゲートには日本における同車の象徴である観音開きの「ダブルバックドア」を採用した。これは歴代モデルが築いた個性を体現するスタイルであると同時に、開閉スペースを最小限に抑えられるという実用的な選択でもある。実際、全長が長いライバル車と比較しても、ドアを開けた状態でグランカングーのほうが短く済むという。
ボディカラー「ベージュ・サハラ」を纏ったグランカングー クルールは、2月5日より全国のルノー販売網でリリースされる。価格は459万円。あらゆる面において、このグランカングーこそが3代目カングーの「真打ち」になると予感させるデビューであった。
