歴史的価値のあるクルマを渇望したオーナーの情熱
日本の自動車史に残る高級スポーツカーと言えば、それぞれの思い入れや意見はあるとは思いますが、トヨタの2000GTは間違いなくその候補のひとつでしょう。1967年から1970年まで生産され、製造された台数はたったの337台。流麗なロングノーズのクーペボディに2L直6DOHCを搭載し、最高速度220km/hを記録した幻の名車を、まるで新車のようにピアレスとPXエンジニアリング仕上げて大阪オートメッセ2026の2号館で展示されました。
冷却系トラブルをきっかけに徹底的な補修作業を決意
展示されているそんな希少な2000GTは、左ハンドルという激レア車。そのオーナーは「歴史的に価値のあるクルマが欲しい」という思いからこの1台を選択したそうだ。しかし2019年、クーラント漏れが起こり、オルタネーターやダイナモにもトラブルが発生。サスペンションのサビやボディの割れなども判明し、どうせやるならまとめてすべてを補修しようと決断したそうだ。
そんなほぼレストアに近い修理を請け負ったのが、ピアレスとPXエンジニアリングという強力タッグ。大阪府和泉市に拠点を置くピアレスは、これまでの大阪オートメッセでも毎年のように衝撃的なカスタムカーを展示してきたカスタムと板金塗装のスペシャリスト。大阪府堺市で活躍するPXエンジニアリングは、GCGターボの代理店を務めるなどエンジンやチューニングノウハウに精通するプロフェッショナル。ボディワークに強みを持つピアレスと、走りのプロであるPXエンジニアリングというそれぞれの専門分野を持つ2社が協力することで、この2000GTを復活させるプロジェクトが始動した。
約4年半の歳月をかけてボディからエンジンまでレストア
そもそも新品の純正部品がないことは折り込み済み。ない部品は作り、メッキ部品やメーター、時計などはトヨタ関連の会社に協力を請い、復元。ボディの板金塗装を含んだ復元はピアレスが担当し、エンジンとミッション、サスペンションはPXエンジニアリングが修繕。純正ショックは分解し、リアのアームからフロントのアームまですべて作り直し、約4年半の歳月をかけ、新車に遜色のない状態まで美麗に復元することに成功した。
大阪オートメッセ2026の2号館のピアレス・ブースに展示された2000GTのボディカラーは、1J2ソニックシルバーをベースに、陰影が際立つよう調色したオリジナル。内装もすべて刷新されており、全身で手がかかっていないところはひとつもないほど徹底して補修。その姿は美しく、まさに「あの幻の名車が現代に蘇った」を体感できる展示だ。ちなみに3月からは奈良トヨタの自動車博物館「まほろばミュージアム」に展示される予定とのことだ。
