長野工房がレストアした空力ボディのセリカ
第3の扉を持つスペシャルティカーは希少車
「セリカリフトバック(LB)」というクルマをご存知でしょうか? クーペ発売からおよそ3年後となる1973年に登場したこのモデルは、国産スペシャリティカーの金字塔・ダルマセリカ(通称)の兄弟車として登場しました。その流麗なフォルムと2000ccと中心としたモデルラインナップからすぐに大人気となりました。そんな当時大人気のLBが、大阪オートメッセ2026の会場に突如現れたのです。展示したのは旧車からドリフト車両まで幅広いカスタムを手がける大阪のプロショップ・長野工房でした。店長が7〜8年前に九州で入手し、その後4〜5年をかけてパーツを集め、コツコツとレストアを施してきたプライベートカーです。50年以上の時を超えてよみがえったアズキ色のセリカリフトバックは、旧車ファンだけでなく若い世代にも刺さる「珠玉のレストモッド」でした。
「走り屋」受けする通称ダルマセリカ
「実力とステータス」のリフトバック!?
ファンの間で通称「ダルマセリカ」と呼ばれたモデルはご存知だろう。1970年から販売されたトヨタ初代セリカの愛称で、丸みを帯びた独特なボディラインと個性あるフロントバンパーのシルエットが「ダルマ」を連想させることから名付けられたものだ。1.4リッターモデルから1.6リッターのツインカムエンジンを搭載した国産車初の本格スペシャリティカーとして人気を博したモデルだ。もちろん現在では、このダルマセリカは国産車の中でも指折りの名車のひとつに数えられており、旧車ファンならずとも絶大な支持を受けている。
では「セリカリフトバック(LB)」はご存知だろうか。1973年に登場したこのLBは、ダルマセリカがトランクを持つ2ドアクーペだったのに対し、荷室とガラスが一体で開閉するハッチバックスタイルを採用したモデルだ。流れるようなファーストバックスタイリングを手に入れ高級感を増し、さらに1.6リッターから2.0リッターのエンジンを中心としたアッパークラスを狙ったモデルといえる。リアシートを倒すと大型レジャー用品を積載できるなど、実用性を兼ね備えたGTカーとして当時は人気車になった。販売年数が頬半分ということもあり、現在でもときどき見かけるダルマに対し、LBを街中で見かけることはあまりなくなってしまったというのが現状だろうか。
九州で見つけ7〜8年かけて蘇らせた情熱の証
オリジナルに拘った徹底したレストア作業!
そんなセリカLBが突然、大阪オートメッセ2026の会場に姿を現した。展示したのは旧車やドリフト車を含む幅広いカスタムを手がける大阪のプロショップ、長野工房だ。実はこのLB、店長のプライベート車両だという。7〜8年前に九州で発見し、そこから4〜5年をかけてパーツを集め、オリジナルの再現にこだわりながらコツコツとレストアしてきたという。
年式は1973年で、正真正銘の初期型だ。長野工房は「ダルマは探せば見つかるかもしれないが、LBはいまでは超希少車。見えるところはサビを徹底して落とし、鉄板の張り替えから塗装までひと通り手をかけた」と語る。
純正色マローンメタリックにレストモッド
蘇った第3の扉を持つスペシャリティカー
基本的なテーマはオリジナルの再現。カスタムはあくまで最小限にとどめている。ボディカラーは初期型の純正設定色であるアズキ色(マローンメタリック)を採用し、上半分は初代セリカのマスタング風味をイメージしたツートン仕様に仕上げた。足まわりはラルグスの車高調(86用を移植)を使用。ホイールはマイスターCR01で、フロントが8.5J、リアが9.5J、インセットはともに+1という迫力ある装いだ。マフラーは当時の姿を再現するため出口のみノーマルをキープ。ただし、それ以外は腐食が進んでいたため、ストレートパイプをワンオフ(特注製作)したという。
同じ初代セリカでも、ダルマは華々しく脚光を浴びた。対してLBはその影に飲み込まれた名脇役だった。そんな一台が50年以上の時を超え、ショー会場でスポットライトを浴びる。旧車ファンだけでなく今の若い世代にもぜひ見てほしい珠玉のレストモッドだ。こうした貴重で価値ある一台と巡り合えるのも、クルマ好きのためのお祭りである大阪オートメッセならではだろう。
