NSXのレストア事業が本格始動! 初代シティの魂を継ぐ新型EV「Super-ONE」もお披露目
「オートモビル カウンシル2026」のホンダブースでは、初代NSXのレストアを核とした「ホンダ ヘリテージ ワークス」の本格始動が宣言されました。絶版パーツの供給に加え、高根沢工場でのトータルレストアも開始されています。さらに伝説の「シティ ターボII」のDNAを継承する新型EV「Super-ONE」が披露されました。ファンの心を熱くさせる、ホンダの温故知新戦略をレポートします。
ホンダ ヘリテージ ワークスが初代NSXを蘇らせる! 絶版部品の供給も開始
かつてはS2000などで部品再生産のアンケートを実施していたホンダだが、国内自動車メーカー各社が続々とレストア事業に進出するのに遅れじと、2025年末に「ホンダ ヘリテージ ワークス」プロジェクトの概略を発表した。今回のオートモビル カウンシル開催直前の2026年4月1日から、プロジェクトが正式にスタートしている。
これを受ける格好で、今回のブースには「ホンダ レストレーション サービス」によるトータルレストアを施した1991年式NSXのプロトタイプが展示されていた。
ホンダ ヘリテージ ワークスは、純正部品の復活供給を行う「ホンダ ヘリテージ パーツ」と、レストアサービスを行う「ホンダ レストレーション サービス」の2つの業務で構成される。
前者は、技術の進化や新たな製法の採用により販売終了となっていた部品を再開発した「純正互換部品」と、当時と同様の製法で再生産する「純正復刻部品」の2通りをグローバルに供給するものだ。全国のホンダ カーズを通じてオーダーが可能となっている。
いっぽう後者は「当時のHondaが創り上げたドライビングフィールを徹底的に追及する」をコンセプトに掲げ、1993年より初代NSXを対象に実施してきた「NSXリフレッシュプラン」を一新したものだ。新たに用意されるヘリテージパーツも活用してオリジナルの性能や質感などを可能な限り復元する、新たなサービスとして展開される。
栃木「高根沢」の聖地で施工! メーカー自ら行う究極のトータルレストア
実作業を行うワークショップは、これまでリフレッシュプランを担ってきた栃木県の高根沢工場内にある拠点を「Hondaヘリテージワークス高根沢」へと改称。ホンダ独自の、そしてホンダにしかできない本格的なレストアサービスを行う。
じつはこの高根沢工場は、かつて初代NSXが専用ラインにおいて、熟練の職人たちの手作業により生み出されていた「聖地」そのものである。かつて自分たちが作り上げたクルマを、ふたたび自分たちの手で当時の姿へと蘇らせるという、メーカーにしかできない究極の物語がここにはある。
メニューとしては、エンジンやサスペンションなど“運動性能”に関わる項目をパッケージ化した「基本レストア」と、さらに外装や内装への施工を加えて個体のコンディションに合わせる「トータルレストア」の2コースが用意されている。
2026年4月から立ち上げられたこのサービスは、当初は対象を初代NSX(NA1-100型)に絞り、シリンダーブロックやカムシャフトなどの純正復刻部品、アクセルペダルセットなどの純正互換部品を販売する。同時に、高根沢でのレストア作業も始まっている。これに伴い「NSXリフレッシュプラン」は2025年8月で受付を終了した。
対応車種についてホンダは「この開始をきっかけに、旧型スポーツタイプの車種を長年ご愛用されているお客様に、今後も安心してお乗りいただけるようサービスの充実に努めていきます」としており、今後の拡大が期待される。
1983年の「シティ ブルドッグ」を再定義! 新型EV「Super-ONE」の衝撃
いっぽう、今回のオートモビル カウンシルでホンダが注力していたのが、近日発売予定となっている小型EV「Super-ONE」のプロモーションだ。ブースには市販予定車とその用品装着車、そしてイメージの源流となる1983年の初代「シティ ターボII」と1981年の「モトコンポ」が並んだ。
2025年のジャパン モビリティ ショー(JMS)に展示されていたコンセプトを一目見たときから、「シティ ターボIIの再来」と感じていたファンも多いはずだ。そんなファン心理をくすぐるように、用品装着車のボディサイドにはターボIIと同じ書体で「BULLDOG」のステッカーが貼られていた。
ちなみに1983年当時のシティ ターボIIは、力強く張り出したフェンダーと愛嬌のあるフロントマスクから「ブルドッグ」という愛称で親しまれていた。その名前を最新の小型EVに受け継がせたことには、単なるデザインの復刻にとどまらない、ホンダらしい遊び心の復活が感じられる。
これだけで胸が熱くなった来場者も少なくなかったはずだ。メーカー自らが「聖地」で名車を再生するヘリテージ事業と、かつてのワクワク感を現代の技術で再定義した新型EV。いろいろな毀誉褒貶はあったが、この温故知新の展開こそが「やはりホンダはこうでなくっちゃ」と思わせる。そんな確かな手応えを感じさせたオートモビル カウンシルであった。
