MB.OSとクラウドAIRMATICが引き出す、GLEクーペの新たな快適性
メルセデス・ベンツが新型GLEクーペを欧州で発表しました。AI統合システム「MB.OS」の採用により安全性と快適性が大幅に向上し、3基の12.3インチディスプレイを一体化したMBUXスーパースクリーンを標準装備。最大27基のセンサーによる先進運転支援や、クラウドベース制御のAIRMATICも搭載し、SUVの力強さとクーペの流麗なスタイルをさらに磨き上げました。
MB.OSとMBUXスーパースクリーンで知能化が加速
新型メルセデス・ベンツGLEクーペで注目すべきは、新世代の車両統合システム「MB.OS」の採用だ。車両全体を制御するAIベースの高性能コンピュータで、OTA(無線)アップデートによりソフトウェアを常に最新状態に保てる。クラウドとの連携で機能拡張にも対応し、車両の価値を長期間維持できる。
運転支援機能も大幅に進化。最大27基のセンサー(外部カメラ10基、レーダー最大5基、超音波センサー12基)により周囲環境を高精度で認識し、MB.DRIVEシステムによる高度支援を実現。標準装備のアクティブディスタンスアシストに加え、駐車支援機能は最大5km/hでの自動操作に対応し、従来比約60%の高速化を達成。日常の運転負荷を大きく軽減する。
インテリアでは、3基の12.3インチディスプレイを一体化したMBUXスーパースクリーンを標準装備し、助手席側ディスプレイも含めた横一体のガラス面が先進的な空間を演出。新世代MBUXはAIを統合し、MBUXバーチャルアシスタントが複雑な対話に対応し、アバター表示による直感的なパーソナル操作を体感できる。
ナビゲーション機能では、Google Mapsの技術とメルセデス独自のUIを融合したシステムを採用。ARナビゲーションやヘッドアップディスプレイにより、進行方向やレーン情報を実際の道路映像上に重ねて表示する機能がGLEクーペとして初めて設定された。
PHEVで100km超のEV走行、AIRMATICは路面を先読み
パワートレインは電動化が進められ、プラグインハイブリッドモデルでは100km以上のEV走行を実現。日常の移動をほぼ電動でまかなうことが可能だ。エンジンモデルでも静粛性と振動の少なさを維持しつつ、俊敏な加速性能も実現している。
足まわりにはE-ACTIVE BODY CONTROLを採用。各輪のスプリングおよびダンパーを個別に制御し、1秒間に1000回の解析を行うことで常に最適な車体姿勢を維持する。AIRMATICサスペンションにはクラウドベースの制御が導入され、前方車両から共有される路面情報を活用し、減速帯などを事前に検知して減衰力を調整と、路面状況に左右されずに高い快適性を実現する。
ライティングシステムも刷新された。最新のDIGITAL LIGHTは照射範囲が従来比約40%拡大し、消費電力は最大50%削減。ハイビームは最大600m先まで照射可能で、夜間の視認性を大幅に向上させている。路面へのガイド表示など新たな安全機能にも対応。
個性的な星型ライトとENERGIZING AIR CONTROLで快適性追求
デザイン面では、イルミネーション付きの大型ラジエーターグリルや新デザインのヘッドライト、星型モチーフを採用したテールライトが特徴だ。20インチAMGデザインホイールも新たに設定された。室内には1平方メートル以上の大型パノラマサンルーフを標準装備し、明るく開放的な空間を実現。
快適装備として、90秒ごとに車内空気を浄化する電動フィルターを採用した空気清浄システム「ENERGIZING AIR CONTROL」を搭載。多段階フィルターにより微細粒子や不快な臭いを効果的に除去する。
【AMWノミカタ】
メルセデス・ベンツGLEの派生モデルとしてGLEクーペが登場したのは2015年のことだ。以降、実用性だけでは満足できない、スタイルと個性を求める都市型ラグジュアリー層に支持されてきた。2020年に登場した2代目からMBUXと48Vマイルドハイブリッドが導入され、ユーザー体験や走りが大幅に進化したが、今回の改良では新世代の車両統合システム「MB.OS」の採用により、安全性と快適性がさらに高まった点がトピックだ。
特筆すべきはAIRMATICサスペンションの進化だ。車両間で通信された路面状況をクラウドに蓄積し、同じ道を走る後続車に送信することで、ダンパーのセッティングをあらかじめ予測・調整する仕組みである。メルセデス・マイバッハSクラスや新型GLSにも搭載されるこのシステムは、快適性だけでなく安全性にも大きく寄与する。
1966年、メルセデス・ベンツの開発担当役員ハンス・シェレンベルクとエンジニアのベラ・バレニーによって、事故を未然に防ぐ「アクティブセーフティ」と事故のダメージを最小限に抑える「パッシブセーフティ」という2つの概念が体系化された。AIRMATICサスペンションは「アクティブセーフティ」に属する機能だ。今回のアップデートを見ても、自動車を世に送り出したブランドの使命として、常にクルマと人の安全を追求する姿勢にブレはない。
