映画と同じパーツを世界中から集め、「ワイルドスピードX2」ブライアン仕様R34GT-Rの完全再現を目指す
海沿いの道でワイルドスピード仕様のR34GT-Rを目撃したことをきっかけに、2000年式の日産スカイラインGT-Rを手に入れた七海正大さん。映画と同じパーツ、同等品、なければ製作するという徹底したこだわりで、「ワイルドスピードX2」ブライアン・オコナー仕様のフルコピーを目指しています。その製作には英国人やフランス人との国際的な縁も生まれました。
海沿いで見かけたR34GT-Rとの出会いから劇中車再現、さらにアートファクトリーとの出会いでワイスピ仕様へ
海沿いの道を走っていたとき、ワイルドスピード仕様のR34GT-Rと偶然出会ったことが、七海正大さんのクルマ選びを変えた。そこから探し始め、ほぼノーマルの2000年式日産「スカイライン GT-R」を入手することになった。ただし、当初から映画と同じ仕様を目指していたわけではない。最初に憧れたのは、バイナル(映画特有のグラフィックステッカー)もウイングも付いていない、シンプルな仕様だったという。
「バイナルが入ってなくて、ウイングも付いてない状態のムービーがあって、それに憧れて。最初はそれにしようって買った感じだったんですが、あまりにも認知度が低いのと、アートファクトリーさんと出会って本物データ(バイナル)が入れられることになったので、そこからもう本気でやろうって」。
ワイルドスピードのバイナル製作にかかわっていたアートファクトリーとの出会いが、七海さんを本格的な製作へと踏み出させる大きなきっかけとなった。
映画と同じパーツ、同等品、なければ製作するという徹底ぶり
七海さんのパーツセレクトの基準はシンプルだ。映画と同じもの、もしくは同等のもの、ないものは自ら製作する。このこだわりが製作の随所に反映されている。
ボディはハウスオブカラーでオールペンし、バイナルはワイルドスピードのバイナル製作にかかわっていたアートファクトリー所有のリアルデータを使用した。エアロはC-WEST(Cウェスト)製で、ウイングは映画と同様の1550mmに加工されている。ホイールは映画と同じHREの446R、タイヤはトーヨータイヤのプロクセスT1R(265/35-19)、車高調はテイン製で映画と同じ車高になるよう調整されている。
インテリアも妥協はない。クスコのロールケージをベースに加工し、シートの張り替えと追加メーターを装備した。映画で使用されていたものと同様のモニター、Gセンサー、そして現在は接続されていないがNOSのタンクもセットされている。
「ヒーローカーかスタントカーのどっちを作るのかっていうのもあったんですが、今はとりあえずスタントよりにしてあります。これを造ってるとインスタグラムでいろんな人と知り合うんですけど、X2の時の車両監督の人と知り合って、色々と教えてもらいました」。
映画関係者の助言とリアルデータで再現「ワイルド・スピード」仕様の究極R34GT-Rは、執念が生んだ完成度!
製作のなかで最も苦労したのが、HREホイールの入手だったという。国内市場にほとんど流通していないこのホイールを、七海さんはインスタグラムの人脈を通じて手に入れた。
「苦労したのはホイールですね。全然手に入らなかったんですけど、これもインスタグラムで知り合ったイギリス人から売ってもらって。でもそれが割れてしまって、それでまたインスタで知り合ったフランス人から、ディスクだけを譲ってもらいました」。
世界をまたにかけた人脈でパーツをつなぎ合わせていく様子は、まさに映画さながらだ。中途半端ではなくフルコピーを目指すという覚悟が、様々な出会いと縁を引き寄せている。
世界中の仲間と繋がる情熱が導き「視覚から聴覚」へ、劇中サウンドを追い求める「尽きないリアル」への追求
外装と内装についてはほぼ完成を迎えつつある七海さんのR34GT-Rだが、リアルへの追求に終わりはない。
「外装とか内装はほぼ完成ですね。今後は映画の(エンジン)サウンドを作りたくて、シングルターボとかパーツを集めています。映画のやつは、別のクルマから音を撮って後から付けた音なんで、音がちょっと違うんですよ。なので映画のまんまって言うか、それに近い音を作りたいんです」。
ビジュアルの完成から、次はサウンドへ。究極の完成度を目指したカスタムはこれからも続く。しかし七海さんの物語が面白いのは、クルマの完成度だけではない。映画の車両監督、バイナルデータを持つアートファクトリー、ホイールを譲ってくれたイギリス人、ディスクを届けてくれたフランス人。一台のクルマを作ろうとしたはずが、気づけば世界中に仲間ができていた。リアルを追求する情熱は、国境すら超えるのかもしれない。
