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極限のローダウンと走りを両立! トヨタ「20セルシオ」を現代技術で蘇らせた純ベタ仕様

トヨタ セルシオ:車自体は1年半から2年前に購入。ただカスタマイズしてもらったのは最近になってからだとか

20セルシオの“当時感”を、現代の技術で極めた究極の純ベタスタイル。 

愛知県で開催された「オートメッセ in 愛知」の会場で、数多くのカスタムカーのなかでもひときわ独特の存在感を放っていたのが、2000年式のトヨタ「20セルシオ」です。群馬県のプロショップ「エアドライブ」が手がけたこの1台は、当時の重厚な雰囲気を大切にしながら、最新技術と高品質なパーツを惜しみなく投入しています。“現代版の当時仕様”として完成させた、オーナーのこだわりが詰まった愛車をご紹介します。

中学生時代の憧れとV8サウンドへの渇望

以前はスバル「WRX」などのスポーツカーに乗っていたというオーナーのMさん(34歳)。セダンに乗り換えたきっかけは、中学生の頃に先輩が乗っていたセダンへの強い憧れだった。加えて、「V8エンジンの野太い音を経験してみたかった」という思いから、スバル WRXの足回り変更などでお世話になったプロショップ「エアドライブ」(群馬県)の尾内社長にクルマ探しを依頼したそうだ。こうして理想のトヨタ 20セルシオ(グレードはB仕様 ユーロバージョン)との出会いが実現した。

このトヨタ 20セルシオの最大の特徴のひとつが、ボディ全体を包み込む独特のガンメタリックカラーだ。採用したのは、レクサス純正色の「ソニッククロム」への全塗装によるものだ。元々は白とグレーのツートーンカラーだった車体を塗り替えた理由について、Mさんは「20年前のクルマと現代の技術(レクサスの色)を掛け合わせた雰囲気を出したかった。新しさと渋さを求めてこの色を選びました」と語る。

エアロパーツは一切装着せず、車高の低さだけで魅せる潔い「純ベタ」仕様とし、レンズ類も当時の純正品を磨き上げて使用するなど、素材の良さを生かしたクリーンなルックスに仕上がっている。

足元を飾るのは、当時大流行したディッシュデザインを彷彿とさせる「AME シャレン」の復刻版(18インチ)だ。オプション設定のブロンズアルマイトリムとブラックのピアスボルトを選択し、足元に深いこだわりを見せている。

低いまま走るための車高調とエアカップの融合

足回りはエアサスではなく、あえて車高調ベースを選択。これには「低いまま走りたい」というMさんの強いこだわりが込められている。

段差回避などのために前後にエアカップ(車高調のバネ上に装着し、空気の力で一時的に車高を数cm上げることができる装置)を装着したハイブリッド仕様としつつ、必要な時だけ車高を上げられる実用的なセットアップだ。足回りとブレーキ(フロント355mm・6ポット)は、サスペンションパーツの有名ブランドであるTディメンド製で統一されている。

プロショップの圧倒的な技術とすさまじい加工

この極限のローダウンと走行性能を両立させているのが、エアドライブの尾内社長による徹底的な作り込みだ。足回りはフロント(アッパーアーム、ショートナックル、タイロッドエンド、ロアアーム)、リア(アッパーアーム、トーコントロールアーム、ロアアーム、テンションロッド)ともにTディメンド製を採用。

尾内社長は「極限まで下げた際のアームの逃げやクリアランス加工、ストローク時のボールジョイントの位置などは、Tディメンドの設計精度があってこそ。それがないと実現できない」とその絶対的な信頼を語る。

さらに、車高を下げても干渉しないよう、見えない部分にすさまじい加工が施されている。そのひとつが底上げ加工だ。エンジン位置が低いトヨタ 20セルシオの弱点を克服するため、エンジンメンバーを25から30mm上方へ移動(底上げ)させている。

マフラーのテールエンド自体はMさんが選んだものだが、こちらも底上げしてワンオフ(特注)で製作。さらにリアメンバーを切断してマフラーの出口を作り再溶接し、キャタライザー(触媒)の後ろから出口までをフルワンオフで製作するなど、徹底的な底上げが図られている。

加えてフェンダーも強化した。前後のフェンダーは、純正の美しいラインを崩さずにその厚みを増す、エアドライブオリジナルの「強化フェンダー」を施工。車輪の傾き(キャンバー角)はフロント8度、リア9度に設定されており、これだけ低くても「2cm上げるだけで走れる」という驚異的なセッティングを実現している。

トランク内にはエアカップ用のコンプレッサーやマネジメントシステム(エアメクスト製)が搭載されているが、ここでもエアドライブの配慮が光る。ただ機器を置くのではなく、荷物が積めるようにオリジナルの台座を作成。純正のカバーを装着すれば、トランク内の見た目は純正と変わらない(イベント仕様でありながら、日常の買い物やドライブなどにも使えるという点は、まさにプロの仕事と言える)。

現代版パーツで再構築された当時物仕様

尾内社長が語るこのクルマのカスタムコンセプトは、「現代版パーツで構成させた当時物ブランド」だ。25年以上前の名車に対し、復刻版ホイールなどで当時の渋い雰囲気を残しつつ、足回りを中心とした調整パーツは現代の最新技術でアップデートしている。

ただ古いだけではない、ただ新しいだけでもない。オーナーの夢とショップの技術が見事に結実した、まさに大人が乗るにふさわしい1台である。

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