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プロの走りから安全に学ぶ! TOYO TIRESが主催するサーキット走行会の新たな取り組み

PROXES DRIVING PLEASURE:従来はピットスタートであったが、安全を考えて最初は先導車と最後尾車を付けて隊列を落ち着かせるフォーメーションラップ形式に変更

過去最多の217台が参加した走行会イベントの新たな取り組み

2026年5月30日、岡山国際サーキットでTOYO TIRES(トーヨータイヤ)が主催する走行会イベント「PROXES DRIVING PLEASURE」が開催されました。過去最多となる217台が参加し、バラエティ豊かな車種がピットやパドックを埋め尽くしました。単なる参加台数の増加ではなく、よりよいイベント作りを目指す同社の狙いと、イベントが目指す新たなコミュニティのかたちについてご紹介します。

安全な走行環境を作るために新たに導入されたフォーメーションラップ

「PROXES DRIVING PLEASURE(プロクセス ドライビング プレジャー)」の目的は、タイヤメーカーであるTOYO TIRESのフラッグシップタイヤ「PROXES(プロクセス)」の認知拡大だ。しかし、同社が掲げるのはそれだけではない。愛車でサーキットを安全に楽しむ場でありながら、ユーザー、販売店、メーカー、そしてプロドライバーを結びつけるコミュニティイベントとして成長していくことが出発点である。開催を重ねるなかで見えてきた課題をひとつずつ改善しながら、走行会の枠を超えたよりよいイベントづくりを進めてきた。

その新たな取り組みが、今回導入されたフォーメーションラップ(本格的な走行を開始する前に隊列を組んでコースを確認する周回)だ。従来は各車が個別にコースインしていたが、走行開始直後はドライバーごとの経験値やペースの差にくわえ、緊張感もあって状況が不安定になりやすい。

そこで今回は、プロドライバーが先導車と最後尾車を担当した。参加者全員が路面状況やコースコンディションを確認しながら周回し、その後、落ち着いた状態で本格走行へ移行する方式へと改められた。

安全性と快適性を担保するためにあえて設定された参加台数の制限

走行前には、スタッフが1台ずつ車両を回り、参加者へ積極的に声をかける姿も見られた。「楽しんできてください」という何気ないひと言だが、緊張を和らげるとともに無理をしない意識を高める効果も期待できる。こうした細かな配慮の積み重ねからも、安全を最優先に考える運営姿勢が伝わってくる。

近年はイベントの認知度向上に伴い、参加希望者も増加している。2025年に初めて関東で開催された富士スピードウェイ(静岡県のサーキット)でのイベントや、自動車メディアの交通タイムス社とタッグを組んで岡山で開催したミニイベントなどの影響は大きく、また参加したいというリピーターが着実に増えているという。

ただし、参加希望者が増えたからといって、単純に台数を増やす考えはない。全長約3.7kmの岡山国際サーキットでは、1クラスあたり約30台前後が理想的な走行環境と判断している。安全性と快適性を優先したクラス編成をおこない、質の高い走行環境の維持に重きを置いている。

プロの走りから学ぶレッスンクラスと充実したプログラム内容

質の高い環境を維持した結果として参加費は従来よりも上昇したが、そのぶんイベント内容は大幅に充実した。昼食は弁当からサーキット内レストランでのランチへ変更され、ゲストドライバーも5人から8人へと増員された。

プロドライバーの後方について走行ラインやブレーキングポイントを学ぶ、通称カルガモ走行をおこなうレッスンクラス(カテゴリー4)は、先導車1台につき参加車両を最大5台とする贅沢な体制へ変更された。これにより、最後尾の参加者でもプロの走りをしっかり確認できる。2025年にも好評だった、ヘルメット不要で家族や友人とサーキット走行を体験できるカテゴリー5も継続開催された。ホームストレートのグリッド上でおこなう記念撮影も、引き続き人気を集めていた。

ゲストドライバーには中山雄一選手、小山美姫選手、小高一斗選手、奥本隼士選手ら、TOYO TIRESが開発の場として位置づけるニュルブルクリンク(ドイツにある世界屈指の過酷なサーキット)でのレース活動をともにおこなう現役レーシングドライバーが多く参加した。参加者との距離が近く、サインや記念撮影はもちろん、ドライビングに関する相談も気軽にできる環境が整えられていることも、このイベントならではの魅力だ。

単なる走行会を超えて自然につながるコミュニティイベントへの成長

会場では、スポーツブランドのPUMA(プーマ)とのコラボレーションによるイベント限定パーカーやTシャツなどを、お得な割引価格で購入できる特典の配布や、家族連れでも楽しめるスタンプラリーなども実施された。さらに10を超えるメーカーやショップがブースを出展し、走行時間以外も楽しめるコンテンツが充実していた。

イベントは単なる走行会にとどまらず、ユーザーと販売店を結ぶ接点としての役割も強めている。実際、全国のGR Garage(トヨタのスポーツカーブランドであるGRの専売店)との連携は年々拡大しており、今回は7店舗が参加した。サーキットでクルマの性能や限界を体感したユーザーが、次はタイヤを交換しよう、ブレーキを強化しようと考えるきっかけとなり、新たな需要を生み出す好循環も生まれている。

いっぽうで、これまで人気コンテンツだった同乗走行は今回実施されなかった。イベントの魅力が同乗体験に頼らなくても成立する段階へ成長したことも理由のひとつだが、その時間を参加者自身の走行枠へ充てる狙いもあるという。ただし、同乗走行そのものを廃止するわけではない。開催頻度の少ない鈴鹿サーキットや富士スピードウェイでは、コース理解を深めるためのプログラムとして今後も活用していく予定だという。会場や参加者層に応じて柔軟に内容を変えられるようになったことも、イベントの成熟を示している。

愛車で来場し、サーキットを楽しみ、笑顔のまま帰宅してもらう。その理念は変わらない。しかし現在のPROXES DRIVING PLEASUREは、走る楽しさと安全性を高いレベルで両立させるために運営を磨き上げ、ユーザー、販売店、メーカー、そしてプロドライバーが自然につながるコミュニティへと成長してきた。

参加台数217台という数字も確かに価値ある成果だ。しかしそれ以上に重要なのは、その場に集まった誰もが走る歓びを感じ、また参加したいと思える環境が着実に築かれつつあることである。6回目を迎えた同イベントは、ほかのイベントとは異なる新たなフェーズへと歩みを進めていることを強く感じさせた。

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