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「このクルマ、上級者向け」プローバの初代スバル「インプレッサWRX」はエキサイティングな玄人仕様だった【オレたちの“改”顧録】

スバル インプレッサ WRX:プローバが初代GC8をベースに仕立てたデモカー。ノーマル260psをスーパーECUで275psへと引き上げた硬派な1台

プローバが手がけた初代スバル「インプレッサWRX」は、スーパーECUで275psまで引き上げつつ街乗りもこなす硬派な1台

スーパーお化けチューンの硬派セダンを、もうひと味効かせた猛獣に。プローバが初代スバル「インプレッサWRX」をベースに仕立てたデモカーは、ボクサーエンジンのずぶ太いサウンドを響かせる超速い4気筒だ。ベースの速さに頼らず、スーパーECUで260psを275psへ。低速からトルクとレスポンスを底上げし、全域を持ち上げてしまう開発の狙いがそこにある。シンプルなのに迫力あるウイングが目を引く、ふたつの顔を持つチューンドを紹介する。

(初出:ヤングバージョン1995年9月号)

スーパーECUで260psのEJ20を275psへ! 低速からトルクとレスポンスを底上げ

このデモカーの核心は、ノーマルでも速いEJ20をさらに引き上げた点にある。製作したのはプローバ(東京都世田谷区/当時)。ベースとなったのはスバル「インプレッサWRX」、水平対向4気筒ターボのEJ20型を積む初代GC8だ。当時のWRXは260psを発生したが、プローバはこれをスーパーECUで275psへと底上げした。なお、このECUは1.2kg/cm²・8000rpm仕様で、後期型のRAにも対応する仕様だった。チューンの肝は最高出力の数字ではない。アクセルを踏んだ瞬間からトルクとレスポンスが立ち上がり、全域でパワーを引き上げてしまう。だからバックミラーに映ったとき、ライバルはさり気なく迫ってくる開発陣の狙いに気づけない。排気チューンのマフラーには、5ZIGENのスーパーボーダーキャノンボールをチョイスした。もちろん触媒付きである。プラグは8番のレーシングを組む。

シンプルなのに迫力あるリアウイングは、JTCリヤウイング用の試作品だ。外観で強烈なのはむしろ後ろ姿で、フロントはリップタイプのスポイラーとエアログリルでまとめられた。狙いは硬派セダンの外観を残しつつ、ひと目で「ただ者ではない」と思わせることにある。名前は「スーパー・インプレッサWRXスポーツコンセプト」。シンプルだけれど、迫力のウイングが効いている。

調整式ショックに強化クラッチ。とんがった走りを上級者ならねじ伏せられる本格仕様

このインプレッサの妙味は、足まわりと駆動系を本格的に固めた点にある。受け止めるのは前後で減衰力を細かく調整できる脚だ。フロント4段、リア8段調整式のショックを奢り、ブレーキパッドも前後で強化された。クラッチには、開発中のTilton製ツインプレート強化クラッチを採用。スポーツシフトリンク(シフトストロークを短縮するリンケージ)はストロークを純正の70%に設定した。スピードメーターは260km/hまで刻む仕様である。とんがった走りを、上級者ならねじ伏せられる。ねらいは限界の高さと、それを御す楽しさの両立にある。

オリジナル鍛造アルミ「PROVAコンペ」を装着。とにかくエキサイティングな走りを掲げて製作された

チューニングの狙いは、とにかくエキサイティングな走りに据えられた。足元を引き締めるのが、オリジナルの鍛造アルミ「PROVAコンペ」である。サイズは7J×16でインセット49、色はチタンブラックだ。外装はフロントスポイラーと、黒ゲル仕上げのエアログリルでまとめている。さらにタワーバーも開発中とされた。硬派セダンの素性を残しながら、必要なところだけを的確に引き上げる。プローバが掲げた個性は、ここにしっかり表れている。

F【AMWノミカタ】

今回紹介したプローバのインプレッサWRXは、AMWを運営する交通タイムス社がかつて発行していたチューニング誌『ヤングバージョン』1995年9月号に掲載された1台だ。大幅なパワーアップには走らず、ECUの載せ替えやマフラー交換など、ユーザーでも再現できるチューニングの範囲でまとめている。それでいて、上級者でも楽しめるエキサイティングな走りを実現してしまうのがすごい。この仕上がりは、初代GC8が持つ素性の良さと、スバルに造詣の深いプローバの技術力があってこそだ。

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