スターロードが完璧に作り込む日産「フェアレディZ」の極上レストア
旧車専門ショップの「スターロード(東京都)」が、ボディ全般のレストアからエンジン、電装、駆動、足回りに至るまですべてにおいて作り込みを行なった1975年式の日産「フェアレディZ」。鮮やかなブルーパールに身を包み、夜の街に美しく映える1台だ。“B”さんが所有する、限りなく完璧に近いカスタム度を誇る極上マシンの全貌が明らかになった。
憧れの名車をホワイトボディからブルーパールに染め上げる
1969年に誕生した初代のS30型系フェアレディZは、ロングノーズ・ショートデッキの流麗なスタイリングと実用性を兼ね備え、北米市場を中心に「Zカー(ズィーカー)」の愛称で世界的な大ヒットを記録した日本の自動車史に残る名車である。搭載されるL型エンジンのチューニングポテンシャルの高さも相まって、半世紀以上が経過した現在でも世界中に熱狂的なファンを持つ。しかし、生産から約50年が経過しているため、極上のコンディションを保つ個体はごくわずかである。
今回ベースとなった1975年式の車両は、そんな歴史的名車を後世に残すべく、ホワイトボディ(塗装や内装をすべて剥がした骨格だけの状態)になるまでパーツをとことん外してレストアされ、美しいブルーパールへと全塗装されている。
エクステリアには、スターロードオリジナルのフロントスポイラーとカーボンオーバーフェンダー(タイヤを覆うように外側に広げた部品)を装着し、リアスポイラーはKAMEARI製を選択した。
ヘッドライトはキセノンを採用しているが、ポジションランプやウインカー、テールランプなどのバルブ類はスターロードが独自にコーディネートしたLEDに交換され、現代の技術を投影している。しかし、LED特有の明るさはあえて追求せず、旧車らしい柔らかい光になるようセッティングしているのがスターロード流である。カーボンオーバーフェンダーとブルーパールとのコントラストが、夜の街に美しく映える。
L型2.8リッターを3.2リッター化して爽快な足回りを組む
エンジン系は、日産のL型2.8リッターエンジンをベースに、3.2リッターへとスケールアップしている。L28エンジンの排気量アップは定番の手法だが、ボアアップとストロークアップを組み合わせて限界に近い3.2リッター(通称サンニー)まで拡大するには、シリンダーブロックの強度確保や冷却面で非常にシビアなセッティングが要求される。これを街乗りでもストレスなく回せる仕様に仕上げている点に、数多くのL型を組んできたスターロードのノウハウが凝縮されている。
ヘッド周りは快適で速いチューニングが一連のメニューで行なわれ、腰下部分の作り込みも完璧に仕上げられている。吸気系にはソレックス製50Φ(直径50mm)のキャブレター(燃料と空気を混ぜる装置)を装着し、そのスピーディな吸気音はたまらなく刺激的だという。これにスターロード製の等長48Φエキゾーストマニホールドとローダウンマフラーを組み合わせることで、トルクフルで上までストレスなく回りきるユニットを構築している。
足回りには、乗りやすさを重視したスターロード製の車高調(車高調整式サスペンション)を組み込み、走りは非常に爽快である。走行フィールを重視して車高は少し上げ気味に設定されているが、もう少しスパルタンな雰囲気を引き出すなら、調整してセッティングを出すことも可能だ。ブレーキはフロントにブレンボ製キャリパー、リアにスターロード製ディスクキットを装備している。足元のホイールは、15インチの「グロースター」(フロント=8.5J インセット-34 リア=9.5J インセット-28)を選択した。
走る気にさせるメーター類と快適なインテリアを構築
走りが楽しくなるように仕上げられたインテリアにも注目したい。ダッシュボードにはデフィ製の油圧、油温、水温、タコメーターなどの3連メーターを配置し、スピードメーターはスタック製を採用した。アナログ風デジタルメーターのオープニングアクションは、これから走るぞとなぜかその気にさせられてしまう魅力がある。
操作系はMOMOのステアリングにワークスベルのラフィックスGTC(ステアリング脱着システム)を組み合わせ、シートはレカロ製を選択している。さらに、スターロード製のクーラーキットも完備しており、快適性も抜かりない。
アクセルを踏み込むのが楽しくなるように仕上げられた、スターロード渾身のフェアレディZ。現代の路上でも色褪せない、至高の旧車ライフを満喫できる1台である。
