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25歳、車高短「シルビア」乗りがアバルト「500」に乗り換えた理由は? すべては彼女の気を引きたい一心でした

1974年式フィアット500Rとオーナーの抹茶さん

今も愛される2代目フィアット「500」の生誕65周年を祝うミーティング

 日本最大級のフィアットのミーティング「フィアットピクニック」が2022年9月10日(土)に浜名湖ガーデンパークで開催され、過去最高の約1000台、2000人以上のフィアット乗りたちが集まった。今回は、2代目「ヌォーヴァ500」の生誕65周年を祝うのがメインテーマということで、クラシックな「500」も多数エントリー。なかでも若手のオーナーに声をかけてみたところ、驚きのクルマ遍歴だった。テーマはずばり、「愛」である。

「ダブルクラッチ」必須なクルマとの対話が楽しい

 25歳の「抹茶」さんが1974年式のフィアット「500R」を購入したのは2021年夏のこと。友だちに付き合って輸入車ショップへロータス車を見に行ったら、展示されていたこの500が気に入ってしまったのだそうだ。ボディは全塗装済みで内装もひと通りリフレッシュされ、フロアもきちんと仕上げてある綺麗な個体だ。500Rは1972年に登場した2代目500の最終型だが、前オーナーのときに前モデルである500Fの顔にされていて、さらにエンブレムはアバルト仕様で「やる気」を醸し出している。

「最終型の500Rは600ccのエンジンを搭載しているのでトルクが出るのがいいですね。高速道路でも90km/h巡航くらいまでなら余裕です。今までもMT車には乗ってきましたが、ダブルクラッチが必須なノンシンクロのMTは初めてだったので、いかにもクルマを操っている感覚が楽しいですね」

新「500」乗りの彼女の気を引きたくてアバルトを購入

 そんな抹茶さんだが、大昔は日産S15「シルビア」やレクサス「GS430」を車高短仕様にして遊んでいたというのだから、ずいぶん振り幅の大きいクルマ歴だ。なぜイタリアのクラシックカーまで行き着くことになったのか、きっかけを聞いてみた。

「じつは奥さんのほうが元々イタリア車好きで、新型フィアット500に乗っていたんです。彼女に出会ったころ私はローバー・ミニに乗っていたんですが、気を引きたくて21世紀版アバルト500の前期型を買ったんです。そこから趣味がイタリア車に傾いていきました」

 サソリの毒は恋の薬にもなるらしい。やがてフィアット500&アバルト500の2人はめでたく夫婦となったというわけだ。

キャラクターの異なる新旧イタ車3台を夫婦でエンジョイ

 今回イベントに乗って来たフィアット500Rを買ったのも、新500乗りの奥さんが「クラシックな500にも乗りたい」とずっと望んでいたのが大きな理由とのこと。さらに最近、奥さん用のクルマとしてオープンカーのフィアット「バルケッタ」も購入し、現在はアバルト500、フィアット500R、そしてバルケッタのイタリア車3台を夫婦2人で所有しているのだった。

「アバルト500はサーキットを走っているのでお金がかかりますが、フィアット500Rはこのまま、ルパンっぽく乗っていきたいです。しいて言えば、ホイールのリムを白く塗りたいのと、いずれはエンジンルームの下ヒンジを上ヒンジにしたいかな」

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 ガチ走りの欲望はモダン・アバルトで発散しながら、かたやクラシック・フィアットではノンビリ楽しく。抹茶さんの新旧二刀流+αなイタ車ライフはひとつの理想形と言っていいだろう。

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