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日産新型「フェアレディZ」がSUVになった!「ムラーノ」ベースのカスタムカーに込められた「X」の意味とは

ムラーノをフェアレディZ風にカスタムした「フェアレディX」

新型「フェアレディZ」をSUVにしたらどうなる?

カスタムカーの祭典として話題が尽きなかった「OAM2023」には、思わず二度見してしまうカスタムカーが勢揃いした。中でもギャラリーの足を止めていたのが日産京都自動車大学校の生徒達が製作した、新型「フェアレディZ」顔したSUV「フェアレディX」だった。

クルマ好きのお父さんに捧げる1台

日産京都自動車大学校カスタマイズ科4年生が集まって考えたフェアレディXの車両コンセプトは、「家族を大切にするクルマ好きのお父さんに捧げる1台」。生まれながらにして由緒正しきスポーツカーであるフェアレディZのラインアップの中に「もし、SUVがあればどんな姿になるのだろう?」という学生達の愉快な発想から製作プロジェクトがスタートした。学生たちに製作の苦労話を聞いてきたので、ここで紹介しよう。

 

まず最初に苦労した点が、フロントマスクの作り込みだ。鋭く、シャープなデザインを持つフェアレディZのイメージをどのように「ムラーノ」と融合させるか。そのままポン付けというわけにはいかないだけに、デザイン面からも工夫が必要になった。

フロントセクションについては、ボンネット、フェンダー、バンパーといったパーツにフェアレディZ用を使っている。そして、ムラーノにこれらのパーツを合わせるべく、フロントバンパーは中央部をカットして上下に150mmほど延長。そのままフェアレディZ純正グリルをセットすると下部にスペースが出来てしまうので、これを埋めて厚みを持たせるために、R35GT-R用グリルネットを組み込むことで対処した。

ボンネットは曲面を生かしながらも、中央部分をカットして寸法合わせ加工を施している。本当ならロングノーズにすべきだが、ムラーノベースとなるとこれが限界だったそうだ。

ヘッドライトは説明するまでもなくフェアレディZ用だが、ポイントはコアサポートに手を加えずにヘッドライトをしっかりマウントできるようにしている点だ。コアサポートに手を加えてしまうと、ラジエターを含めた多くの部品の取り付け位置に影響を及ぼす。また、剛性にも関わるため、あえてコアサポートには手を加えなかったというわけだ。

全体のバランスを考慮して法規制もクリア

前後フェンダーはウェッジシェイプを強調するべくワイドフェンダーを装着。片側100mm以上ワイド化されたリアフェンダーに収まるホイールは12Jで、なんと345幅のタイヤを履かせていたから驚きだ。ちなみにホイールはフロント10J&リア12Jの「ボルクレーシングG025」でタイヤはミシュランのパイロットスポーツ4S(F:285/35-20、R:345/30-20)だった。

リア回りの造形は発泡ウレタンとパテを駆使して製作。フェアレディZのテールとウイングをきちんと装着できるだけでなく、全体のバランスも考えながら造形作りを行った。

他にもテールエンドとBピラーのバッジをフェアレディZ用に変更。さらにインテリアはハンドルをフェアレディZ用に交換している。また、マニアな方なら気づくと思うが、R35GT-R用を移植したドアノブも注目ポイントだ。可能な限りスポーツカーに寄せた細工は、クルマ好きのハートに響くことは間違いない。

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フェアレディXはコンセプトモデルだが、自動車メーカー直系の日産京都自動車大学校が手掛けたクルマなだけに、しっかり法規制に適合するように仕上げられているから素晴らしい。ちなみにフェアレディXという名前の「X」には、クロスオーバーという意味と、数学的な未知数の意味が込められている。

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