サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

フェラーリ「ローマ」にスパイダー追加! クーペに比べて84キロ増、ソフトトップの開閉は13.5秒です

ローマスパイダー

車両後部のアクティブスポイラーは3段階のポジションで展開

満を持してオープンモデルが登場

クーペ登場から約3年、ラグジュアリーカーの定石通りソフトトップの4シーターオープン「ローマ スパイダー」が発表されました。「タイムレスなエレガントさ」を体現したクーペの世界観を引き継ぎ、さらに流麗になったFRのGTオープンです。

56年ぶりとなるソフトトップを採用したFRモデル

フェラーリは2023年3月、マラケシュのエル・バディ宮殿でのクライアント限定のイベントにおいて、2+2シーターのFRモデルであるローマのオープンモデル「ローマ スパイダー」を発表した。

クーペを登場させてからしばらく後にオープンモデルを追加するという、ラグジュアリーカーの定石通りに登場したソフトトップの4シーターオープンモデル。1950〜60年代のイタリアンライフスタイルを再解釈した「タイムレスなエレガントさ」を体現し、クーペの世界観を引き継いだ仕立てとされた。なお、フロントエンジンモデルへのソフトトップの採用は365GTS4以来となり54年ぶりという。

ファブリック製ソフトトップは5層構造で、ガラス製リアウインドウを採用する。素材はエレガントさとスポーティさが両立するよう、2トーンの織りを4色からセレクトして仕上げることができる。風切音やロードノイズを抑え、リトラクタブル・ハードルーフと同様の快適性を確保。13.5秒で開閉、60km/hまでなら走行中でも稼働することができるという。

また、ソフトトップに起こりがちな、高速走行時に表面の気圧が下がることでソフトトップが膨らんでしまうバルーン現象の抑制にも注力している。Z字型に稼働し、収納時も220mmに畳まれコンパクトに収納できるので、オープン時でもラゲッジルームの積載スペースを十分に確保する。ちなみに、クローズ時のラゲッジ容量は255Lだ。

スタイルはベースとなるクーペのシルエットに手を加えず、その美しさを崩さないようにデザインされている。ルーフ一体型のリアウインドウを用いることで、オープンモデルでも、なだらかなファストバックのシルエットを実現している。さらに、オープン時には、シームレスなトノカバーによって、後席ヘッドレストからリアスポイラーまで流れるようなデザインでまとめられている。

エアロダイナミクスにも注力しており、ルーフラインなどは徹底的な数値解析がおこなわれたという。オープン時の車内の乱気流や風切音を最小限に抑えるように仕立てられており、アクティブスポイラーもオープン特有のジオメトリーに変更されている。

最新技術も追加しクーペを踏襲した高い走行性能

ボディはボディシェルの基本要素はそのままにリアを重点に改良され、オープン時にエレガントさを失わないように仕立てられた。ローマをベースとしつつ、サイドシルなどを独自開発。リアセクションには「ポルトフィーノM」で用いられたものを採用するなど、シャシーなどにも改良が施されている。車両重量は1556kg(乾燥重量)とクーペ+84kgに抑えられた。

もちろん走行性能も高い。最高出力620ps/最大トルク760Nmの3.9L V8ツインターボと、トランスミッションは「SF90ストラダーレ」で導入された8速DCTを改良して搭載。0-100km/h加速3.4秒を誇る。コールドスタートでの油圧上昇時間が70%短縮したオイルポンプや、ギアに合わせてトルク量を調整するバリアブル・ブースト・マネージメントなど、最新技術も数多く採用された。

インテリアもクーペのイメージを引き継いだ。1970年代以降の歴代モデルに根ざした理念の、デュアル・コクピットのコンセプトを進化させたデザインを採用する。ドライバーとパッセンジャーを2つのモジュールで包み込んだスタイルで、そのイメージを後席にも拡大させ一体感を創出している。

2つのモジュールはラインで囲まれており、そのラインはダッシュボードからドア、リアシート、センタートンネルを有機的に結びつけることで、室内全体に統一感をもたせた。中央には8.4インチのセンターディスプレイを配置し、その下には過去のシフトゲートを思わせるアイコニックなメタルプレートを用いたシフトスイッチが備わった。

また、リアシートのヘッドレストをトノカバーのデザインと視覚的に一体化させるとともに、バックレストと一体化させウインドウリフレクターが備わるのもポイントだ。温度を18段階に調整できるシートヒーターやオプションのネックウォーマーなど、オープンドライブを楽しむ装備も充実している。

モバイルバージョンを終了