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35年乗り続ける「カルマンギア」と「トゥーラン」のVWフリークの愛車歴は? 生粋のフリークが見せてくれたエンジンはツインキャブでした

新潟の海岸線「笹川流れ」を走る地元VWクラブのツーリングにも参加

新潟・糸魚川の「第18回クラシックカーミーティング」で出会ったカルマンギア

新潟エリアでクラシックカーイベントのメッカと言えるのが糸魚川市の山裾に広がる美山公園内だ。ここで2023年5月3日に開催された「第18回クラシックカーミーティング」は「フォッサマグナミュージアム」の主催で、同施設の周知と地域振興のために新潟県糸魚川地域振興局、糸魚川市観光協会、糸魚川クラシックカークラブなどの協力も得て開催される恒例のイベントだ。当日はヒストリックカーの展示に加え、地元バンドによるミニコンサート、フリーマーケットやキッチンカーなどで賑わう市民縁日などのコンテンツも用意され、ヒストリックカー好きのみならず県内外から訪れる家族連れなどにも親しまれている。

ビートルのシャシーに流麗なボディをまとったクーペ

ヒストリックカー趣味界の一大勢力といえば今も昔も空冷水平対抗4気筒(フラットフォー)エンジンをリアに搭載した、いわゆる「空冷フォルクスワーゲン」。ただこれら空冷VWの場合、ワンメイクでのイベントも全国各地で数多く開催されているので、幅広い車種が集まる総合的な展示イベントなどではかえって見かける台数が少ないかもしれない。今回の「第18回クラシックカーミーティング」では47台のエントラントのうち、空冷VWは「タイプ1」(ビートル)、「タイプ2」(ワーゲンバス)、そして「カルマンギア」の計3台がリストに名を連ねていたが、今回紹介するのはその中の1台、フォルクスワーゲン・カルマンギアである。

26歳で買ったカルマンギアと35年のお付き合い

1964年式のカルマンギアでイベントに参加していたのは、新潟市から参加の内山 隆さん。ご存知の通りカルマンギアはビートルと共通のシャシーに流麗なクーペ・ボディを架装したバリエーション・モデルだ。

「初めての趣味のクルマとして手に入れたのは22歳のときの1974年式ビートルでした。その後ゴルフにも乗って、1988年、26歳でこのカルマンを買って現在までずっと愛車です。カルマンギアとの生活はすでにかれこれ35年くらいになりますね。ちなみに普段のアシはVWトゥーランです(笑)」

というから、ドイツのフォルクスワーゲンから感謝状が届いてもいいくらい(?)の生粋のVWフリークだ。

「インターネットが普及してからは、昔と違って海外の空冷VWクラブやオーナーたちとも手軽に連絡が取り合えるようになり、趣味の世界がより広まりました。ドイツの空冷VWオーナーからプレゼントにビールが送られてきたこともあったんですよ(笑)」

そんな内山さんのカルマンギアのサイドウインドウには、海外の空冷VWクラブから送られてきたクラブのステッカーが何枚も貼られている。

床の間の飾りではなく各地のイベントに自走参加

地元のイベントを中心に、各地のイベントに積極的に足を運ぶ内山さん。

「もう少しパワーが欲しかったので、エンジンはオリジナルの1200ccから高年式の1600ccに換えてあります。キャブレターもカドロンのツインキャブに換装しました。エアクリーナーはHKSです」

とのことで、このカルマンギアが決して床の間の飾りでないところも素敵だ。トランクスペースにはファンベルトをはじめとするスペアパーツも常備してある。

「もちろん、ときにはヒストリックカーならではの不具合にも見舞われることもありましたが、ひとつの車種と長年付き合っていると大体のことには対処できるようになりますよね。

このクルマを通じて得られたさまざまなご縁、逆にちょっとしたトラブルなども含め、カルマンギアに乗り続けている限りそれらの全ての出来事はいい思い出になりますから」

と語る内山さん。それはオーナーと愛車が紡いできた長い時間によって作られたもので、決してお金では手に入らない素敵な物語なのである。

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