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左ハンから右ハンへ!「北米仕様」を「英国仕様」に戻された「MGA」の現オーナーはジェントルマンでした

1957年式MGAとオーナーの畑野 哲さん

地方でヒストリックカー趣味を楽しむのがトレンドに?

「地方にはモノも情報も少なく、都会はなんでも揃う」などと言われていたのも今は昔。クルマ趣味についてもまた然り。いや、今やヒストリックカーのメンテナンスを得意とするスペシャルショップが日本の各地に存在し、旧いクルマを維持管理していくうえでの環境、道路事情などの諸条件を考えれば、昨今ではむしろ都会の方がクルマ趣味を楽しむためのハードルが高いのではないかとさえ思える。これは各地のヒストリックカー・イベントへ取材にお邪魔したレポーターの偽らざる感想だ。

新潟・糸魚川の「第18回クラシックカーミーティング」で出会ったMGA

さる2023年5月3日に開催された「第18回クラシックカーミーティング」もまた、ヒストリックカー趣味が「地産地消」的に地元にしっかりと根付いていることを感じさせるイベントだ。このイベントを主催するのは、新潟は糸魚川市の地学的特徴や自然を紹介する博物館「フォッサマグナミュージアム」。会場となる糸魚川市美山公園は、このイベントも含め年に3回ほどのヒストリックカー・イベントが開催されるという旧車ファンにとってのメッカ。イベントには1950~70年代のヒストリックカーが、特定の国籍やジャンルに偏ることなくバランス良く参加しているのが特徴だ。その展示車両群の一角を占めるのが、「Safety fast」を標榜する歴代のMGたち。

北米からオーストリアに渡り右ハンドルにされた個体

戦前から続く長い歴史を持ち、一時期は「世界で最も有名なスポーツカー」としても知られたMGだが、今回のイベントに参加した最古参モデルがこの1957年式の「MGA」。エントラントは富山から参加の畑野 哲さんだ。

「このクルマを手に入れたのは今から8年ほど前です。調べましたら、もともと北米に輸出された左ハンドル仕様だったのが、その後オーストラリアに渡り、そこで現在の右ハンドルにモディファイされたようです」

たしかに右ハンドルながら、純白のボディにホワイトウォール、メッキのワイヤーホイールという出で立ちはアメリカン・テイストを感じさせるが、それはこの個体の来歴が醸し出すものだろうか。

ギャラリーにもジェントルにヒストリックカー趣味を伝道

「一度だけ大きなトラブルに見舞われまして、出先でエンジンブローしてしまったんですよ。その修理の際にいろいろと手を入れました」

実際、すっかり復旧したMGAのエンジンルームは適度なライブ感を湛えつつ、快調なクルマならではの綺麗な景色を見せている。

「まぁ、自分でもクルマをいじりますので、パーツも海外から個人輸入したりします」

というから、まさに年季の入ったヒストリックカー乗り。若いファンにとってはお手本とも言える存在であろう。

こういったイベントではオーナーの許可なく展示車両に触れたりするのはマナー違反。もちろんギャラリーもそこはわきまえているが、逆に畑野さんはMGAを見学しているギャラリーにも気さくに声をかけ「よかったら運転席に座ってみます?」「ドアの開け方はね……」「エンジンの掛け方は……」などと、ヒストリックカー趣味の伝道(?)にも熱心だ。

F1観戦まで幅広くクルマ趣味を楽しんでいる

上信越エリアで開催されるイベントを中心に、数多くのヒストリックカー・イベントに参加する畑野さんだが、その趣味の対象は旧いクルマばかりではなくF1などにも向いている。当日の畑野さんが羽織っていたのは、バブル期にF1をはじめとするモータースポーツの世界で一世を風靡した、かのレイトンハウスのアウター。また、MGAのフェンダー上にはアイルトン・セナの雑誌記事の切り抜きなども。

北陸の恵まれた環境の中で、ヒストリックカーからF1観戦まで幅広くクルマ趣味を楽しむ畑野さんとMGA。またいつかどこかのイベントで再開したときは、運転席に乗せてくださいね。

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