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リッター32キロを誇った初代「インサイト」はいま。8年落ちを16年乗り続けるオーナーの正直な感想「同情するなら金をくれ!」

ホンダ インサイトとオーナーの園田広隆さん

5速ミッションの設定があったことはご存知ですか?

ホンダ「インサイト」は、1999年に登場した初代(ZE1型)を皮切りに、2009年発売の2代目(ZE2/3型)、そして2018年からは3代目(ZE4型)と続きました。しかし、同一車種としてのブランドイメージ戦略に成功したトヨタ「プリウス」とは対照的に、モデルチェンジごとに、2ドアファストバッククーペ、5ドアハッチバック、クーペ風4ドアセダンと変化した「インサイト」は、3代目を持って生産終了となっています。「ネオクラシックホンダファンミーティング2023」の会場で、1台のみ参加していた初代「インサイト」。美しく輝く希少車に興味を抱き、オーナーの園田広隆さんに取材を敢行しました。

マニュアル車を探した結果、ここに辿り着いた

このホンダ「インサイト」(初代)を所有する前は、1991年式の「ビート」に乗っていたという園田さん。14年乗り続けたその愛車がかなりヤレてしまい、最後はボディが劣化してトランクがもげてしまうトラブルに見舞われたのが乗り換えのきっかけだった。

「マニュアル車であることが絶対条件でした。運転して楽しいですからね。それと、できるだけ乗っている人が少ない車種がいいなと。ホンダ車であることにはこだわりは強くなかったのですが、初代インサイトにマニュアルの設定があるのは知っていたのです。しかも、ビートと同じ2シーターであることも、気になりはじめた理由でした。本当はCR-Xとか、そういう車両が欲しかったのですが、維持費などを考えると現実的じゃない、という考えもありました」

その結果、近所のディーラーに行って、初代「インサイト」を探してほしいと伝達。待つこと約1カ月で、程度良好のこの個体が発見されたのだそうだ。実際に所有してみると、

「マニュアルではあるけれど、走りを楽しめるわけではなかったです(笑)」

というコメントが出るくらいなので、園田さんにとっては100%満足できる買い物ではなかった。しかし、新車販売から購入時点ですでに8年落ち。それから今に至るまで、約16年も園田さんはこの愛車に乗り続けていることになる。

パーツが無いから、今後の維持にお悩み中

素朴な疑問だが、今から25年前のハイブリッド車を維持する苦労は、どんなものなのだろうか?

「バッテリートラブルがあったり、ボディが傷み過ぎて、5年前に全塗装したりとか、そういうタイミングでは正直もう手放そうかなと思うこともありました。でも、そんな相談を知り合いにすると、もったいないから手放しちゃダメだよと言われるのです。所有するこっちの身にもなってくれ! 同情するなら金をくれ! って、いつも思っています(笑)」

園田さんによれば、「愛車への心配事の9割はバッテリー」とのこと。ハイブリッド用バッテリーはすでにメーカー在庫は無し。もし今後トラブルが出たとしたら、バッテリー修理の専門業者に頼むことを想定しているそうだ。実際、ハイブリッド用バッテリーは2度交換している。しかし、それについては特に問題ないそうで、それよりも、副作用的に起こるトラブルの方が面倒だと、園田さんは教えてくれた。

「正直、ハイブリッド用バッテリーがダメになるだけならば別に構わないのです。ガソリンで走れますから。ところが、このクルマはハイブリッド用がダメになると、通常の12V用バッテリーに充電されなくなるのです。初めてのトラブルの時はそれを知らなかったので、ガソリンで走り続けた結果、いつの間にか12Vバッテリーが空になってしまい、路上で止まってしまいました」

それを体験してからは、遠出をする際は充電済みの12Vの予備バッテリーを常備する、というのが園田さんのマイルール。車種によってシステムが異なるだろうが、古いハイブリッド車に乗っている方々には、ご参考までに。

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