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Z世代の若者が「おじいちゃんとの思い出」のためにホンダ「レジェンド」を買う! 祖父を乗せて箱根の宿にドライブ旅行

若者が自分よりも年上のレジェンドを愛する理由とは

2023年11月3日(金)、福岡県朝倉市にある「あまぎ水の文化村」で開催された「ネオクラシックホンダミーティング2023」。参加していた車両の中で、横浜ナンバーを付けたホンダ「レジェンド」を発見しました。美しく磨かれたボディからも溢れていた、ホンダの最上級車ならではの上品さ。純正スタイルのまま残された貴重な3代目「レジェンド」のオーナーは、なんとまだ20代前半の若者でした。

免許を返納した祖父が20年所有した愛車を再現

車両状態がとても美しく、来場者の注目を集めていた横浜ナンバーのレジェンド。オーナーの伊藤亮平さんは、2000年2月生まれの23歳(取材当時)であり、1997年生まれの愛車よりも3歳年下だった。

「祖父がこのレジェンドのエクスクルーシブというグレードに乗っていたんです。僕が生まれた頃にはすでに所有していました。僕の家に遊びに来たり、箱根に旅行に連れて行ってくれたりと、僕にとっては祖父とのたくさんの思い出が詰まったクルマだったんです」

現在87歳となったおじい様は、8年前に免許を返納したそう。人生最後のクルマはホンダ「グレイス」へと変わっていたが、約20年にも亘って所有し続けた「レジェンド」(3代目 KA9型)の前期型こそ、伊藤さんにとっての祖父の愛車だった。

「自分では運転ができないですけど、今度は僕がそのクルマを手に入れて、祖父を思い出の場所に連れて行ってあげたかったのです。そのために、この個体を探してきました」

純正戻しから始まった、思い出のクルマの再現

中古車販売サイトを使ってレジェンド探しを始めたが、掲載台数は2台のみという状況。愛知県で売られていた個体が気になり、現車を確認に向かったそうだ。

「ローダウンされていてホイールは社外品。純正グリルも黒に塗られた状態でした。しかし、走行距離は4万キロほどで、内外装どちらも綺麗。これは現車確認の価値はあるだろうと思い、実際に足を運んだのです」

その結果判明したのは、この車両は2オーナー車だということ。しかも、初代オーナーは26年間ガレージ保管していたそうで、ゴルフに行くときに使用する程度だった。その後、2代目オーナーのところで上記のカスタムが施されたものの、そのオーナーは半年間で手放すことに。それが中古車として販売開始されたときに、伊藤さんの目に留まったのだ。

「ダウンサスが装着され、グリルも色が変わっていたのですが、それらの交換前の純正パーツがしっかり保管されていたのです。僕は絶対に純正で乗ると決めていたので、パーツが残っていたのも決め手となりました」

そして、いよいよ自分の愛車となったレジェンドは、各部を手直し。買った個体はグレードがユーロだったため、おじい様が乗っていたエクスクルーシブ仕様へと変更。例えば、内装は本物の楠の木目パネルに。リアシートのパワーリクライニングスイッチも、雰囲気だけでも味わえればとスイッチのみ移植。ホイールは、エクスクルーシブ前期用を購入した。こうして、伊藤さん曰く「おじいちゃんリスペクト仕様」が完成したのである。

免許は返納してしまったが、まだまだ元気なおじい様をこのレジェンドの助手席に乗せて、幼少時の思い出が残る箱根の宿へ泊まりに行ったそうだ。23歳の若者がネオクラシック車を所有する理由。それは、大好きな祖父との思い出をいつまでも大切にしたいという、愛情の表れだったのだ。

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