魂動デザインがアテンザに劇的な進化をもたらした
ミニバンが賑わう昨今とは対照的に、1980年代後半から1990年代後半にかけてステーションワゴン隆盛の時代が存在しました。マツダ「アテンザ」は2002年に発売され、当初から「スポーツワゴン」がラインアップ。2012年登場の3代目より「アテンザワゴン」に名称が変更されました。2011年の第42回東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「雄(TAKERI)」に採用された「魂動(こどう)デザイン」のまま量産化したことで、デザイン性の高さが評価されたモデルでした。今回は、アテンザワゴンでオーディオカスタムを楽しむ、藤本翔太さんの愛車を紹介します。
ひと目惚れで選んだステーションワゴン
興味を持つ対象が人であろうがクルマであろうが、ひと目惚れをする瞬間は、誰にでもあるはずだ。藤本翔太さんが今の愛車に乗り換えたきっかけは、近所の女性がこのマツダ「アテンザワゴン」に乗っていたことだったそうだ。オーナーにではなく、そのクルマにひと目惚れしたことで、購入を決意。8年ほど前に入手し、5年ほど歳月をかけて現在の仕様が完成した。
このクルマは2024年9月15日に福岡県北九州市で開催された「C.C.C Create a Car Culture」に展示された。日本車や輸入車を問わず、さまざまなジャンルやスタイルの車両が約200台参加していたが、ステーションワゴンでのエントリーはごくわずか。そのため、このオーディオカスタムが施された真っ白なアテンザワゴンが、とても印象的だったのは間違いない。
そもそも筆者自身が、同型のアテンザワゴンを日常的に愛用中。走りの質の高さとディーゼルならではの燃費の良さ、そして荷物もたくさん積める利便性など、総合的に大満足。でも、仕事クルマとして酷使されている我が愛車と比較して、藤本さんのクルマはとても美しく、そしてカッコよく仕上げられていて羨ましかった、というのが本音である。
ホイールはリムが深いWORKのZEAST ST3を装着
「アテンザワゴンの前は軽自動車に乗っていたのですが、次に乗り換えるのならば絶対に乗用車。しかも、ノーズが長くて人とたくさん荷物が載せられるワゴンがいいなと考えていたのです。そんなときに、近所の人がアテンザワゴンに乗っていたのを見かけて、これだ! と確信しました」
藤本さんの愛車は2013年式の初期型で、ガソリン仕様の25S Lパッケージ。つまりこの当時のラインナップでは最上級グレードとなる。これをベースに、中期仕様へと変更しつつ、足まわり、オーディオなどのカスタムを施した。
サスペンションはイデアル製スーパーマキシマム。フルタップの車高調整式で、36段階の減衰調整が可能だ。ホイールは、WORKのZEAST ST3の19インチ。ひねり、コンケイブ、そして深いリムが藤本さんのお気に入りだ。
ワゴンならではの荷室スペースを趣味と実用に有効活用
オーディオは、スピーカーとアンプにフランス製のブラムを使用。これらを荷室にインストールしているが、埋め込みとボードを活用して積載性も確保していることがポイント。なおフロントドア部にもツイーター増設やアウターバッフル加工を施し、さらに自身で内装の一部をスエード生地へと張り替え加工済み。
さらに前期のガソリン仕様には純正設定されていないサンルーフだが、ドイツ生まれのベバスト製を使って、憧れのチルトアウトルーフが完成。ミラーとテールランプは中期仕様へと変更するなど、シンプルな見た目ながらも、細かい部分まで手を入れている。
当初の狙い通り、人と荷物が載るスペースは確保しながら、理想的なオーディオカスタムを完成させた藤本さん。その美しさに憧れるのは筆者だけではなかったようで、この日はベストワゴン賞も受賞。その完成度の高さが、来場者からも評価されていたのだった。
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