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「モーガンクラブ」主催なのに、なぜ「ケンメリ」や「コルベット」たちの姿が…? 60台も集まった「ニューイヤーラリー」の敷居の低さには理由がありました

1975年製日産 スカイライン2000GTの新井さん夫妻組に続くのは、1960年製シボレー コルベット スティングレイの根元さん&濱中さんペア

35回目を迎えた新年恒例のクラシックカーラリー

クラシックカーはエアコンやヒーターといった空調装置が現代のクルマに比べると貧弱で、真夏や真冬にはイベントが行われることも稀です。ところが極寒の1月、お正月早々に毎年行われているクラシックカーラリーが存在します。モーガンクラブニッポンが開催するニューイヤーラリーは、2025年1月12日(日)で35回目。一体どんなイベントなのでしょうか。

極寒にもめげない約60台のヒストリックカーが成田に集合

2025年1月12日(日)。新年を迎え、本格的な寒さもそろそろ本番の、いわゆる大寒を迎えようとしているこの時期であるが、まだ夜明け前の東関東自動車道下り線、たくさんのヒストリックカーたちが向かっているのは、世界中の観光客を迎える日本の玄関口、千葉県成田市だ。そこにある「ホテル日航成田」を拠点として、毎年開催されているのがクラシックカーたちによる「ニューイヤーラリー」である。

もともとは1990年、「モーガン スポーツカー クラブ オブ ジャパン(MSCCJ)」のクラブイベントとして、メンバーのみでのコマ図を使ったスカベンチャーラリーとして始まり、2007年からは「モーガンクラブニッポン(MCN)」が引き継ぎ、2025年の今回で35回目を迎えたというから、わが国での趣味車によるラリーとしては、かなりの歴史を持ったイベントと言えるだろう。

クラシックカーの、ある意味では新年の寒中水泳大会的なイベントを楽しもうと、極寒にもめげない約60台が、スタート地点となるホテル日航成田の第4パーキングへと集結した。

モーガン以外もOK! ネオヒストリックもOK!

基本的に参加車両は1979年以前製造のクラシックカーが対象となるが、ネオヒストリック、ヤングタイマーといった、比較的新しい年代のクルマも見受けられる。これは、開催当初よりクラブメンバー以外もゲストとして、「いずれモーガンに乗りたい」、「コマ図ラリーに興味がある」といった人々も受け入れてきた経緯から、臨機応変に対応しているとのことだ。

コマ図を使ったラリーに興味があっても、多くのヒストリックカーラリーでは愛車の年式により参加基準に満たなかったり、エントリーフィーが高額で躊躇してしまうという初心者にも、最初の第一歩として楽しんでもらいたいとモーガンクラブニッポンの椎名代表は語る。

なんといってもモーガンといえば、キャブレター時代からインジェクションへと中身はアップデートされながらも、第二次世界大戦前のスタイルのままで現在も造られている唯一無二の存在でもある。ラリー開催にあたっての大らかさもモーガンクラブらしさといったところだろうか。

地域の魅力発見という副産物も!

ニューイヤーラリーは、過去には千葉県外まで足を伸ばしたこともあったそうだが、成田という拠点は35年変わらないままなので、毎度リピーターも飽きさせないコース作りはMCNの知恵の見せ所だ。

今年は成田空港周辺の整備されたコースを、指定速度(法定速度)で走行し、数カ所のチェックポイントを通りながら、約60kmを走行しゴールを目指す。

途中、社会福祉法人「まごころ」の事業所駐車場に設けたチェックポイントでは、自立就労を目指す利用者さんたちによる手作りのクッキーがエントラントに手渡され、エールを送るなど地域生活者との温かい触れ合いもあった。

また同チェックポイントでは、成田市長・小泉一成氏によるエントラントへの花束贈呈も行われた。成田市が単に玄関口というだけでなく、そこには飽きのこない魅力があるということを、ニューイヤーラリーが長年イベントを継続することで証明していることへの感謝の意も込められていて、こうした市内イベントを歓迎してくれているのだった。

ニューイヤーラリーをクラシックカー乗りの新年会的なイベントとして楽しむのもよし、これをきっかけにラリーを追求するのもよし。クルマを軸にした楽しみ方は、地域の魅力発見といった副産物も生み出すのである。

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