「グラスホッパー」が全く新しい軽トラのスタイルを提案
身近で手軽な仕事の相棒であると同時に、昨今はアウトドア遊びのギアとしても注目を集めている軽トラック。ここで紹介するのはダイハツ「ハイゼットジャンボ」をベースにした「グラスホッパー」。荷台部分にはスラントデザインのスタイリッシュなキャノピーを搭載し、さらにその下のアオリ部分にも大容量のドロワー(引き出し収納)が。使い勝手と拡張性を両立したアイデア満載です。
スタイリッシュなキャノピーが軽トラの可能性を大きく広げる
大阪オートメッセ2025(OAM)の会場内で終日ひときわ人だかりができていたのが、この共立工業のブースだ。展示されているのは、リアに独特な形状のキャノピーを搭載したその名も「グラスホッパー」(バッタの意)という軽トラックだ。共立工業は本格的なトラックの架装を行なっている会社ということで、キャノピーの造形はもちろん、機能的にも非常に優れた1台だ。今回は3台展示されていたうちの、「キャンパー」と名付けられたキャンピング仕様を見せてもらった。
「ダイハツ ハイゼットジャンボをベースにしている点や、キャノピーなどの基本の構造は他の車両と一緒です。オフロード走行を考慮して若干リフトアップしているほか、側面の引き出しにはシンクやコンロを組み込んで、キャノピーの中には車中泊ができるようにマットを敷いてます」
後部がポップアップする傾斜角12度のキャノピー
グラスホッパーの基本構造は、荷台に搭載した三方向けのステンレスドロワーの上に、スラントバックのFRP製キャノピーが載った2階建て構造。このFRP製キャノピーは傾斜角12度に設定されているが、これは、空力も考慮されたものだそう。
キャノピーは後方に向かってポップアウトする。これによって停止中はキャノピー内の容積を大きく増加することができる仕組みとなっている。キャビンは背抜きしてあり、ポップアウトした内部はかなり広く、荷台にマットを敷くことで大人2人が就寝することができる。
側面や背面のドロワーは、アオリの中にちょうど隠れているため、走行中は開かないよう工夫されており、ステンレス製なので、屋外で使ってもサビ知らず。収納力もかなりあるので、アウトドアで使う細かなパーツを格納することができる。とくに背面側のドロワーはかなり長いものも収納できるので、重宝しそうだ。
アイデア次第で使い方は無限大
ちなみにベースとなったダイハツ「ハイゼットジャンボ」は、足まわりを約35mmリフトアップしたうえで、WORK CRAGホイールに165/60R15サイズのオフロードタイヤを装着している。またボディ各部にはステンレス製のフロントバンパーガード、サイドステップ、リアステップバンパー、バッテリーカバーなどを装着。
またルーフキャリアの後部には、キャノピーの上に長尺物を乗せる際に、乗せたままポップアップできるようにアーム部分が可動式となっているラックを装備。例えばサップなどを乗せてキャンプに行った場合でも、いちいち降ろすことなくポップアップすることができる仕組みとなっているそう。いずれも大型車の架装を得意とする同社の技術のなせる技となっているのだ。こんな軽トラなら、仕事だけでなく遊びに使っても楽しそうだ!
