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伝説の「トヨタ 7」とサファリラリーを制した「セリカターボ」が横浜にやってきた! 見逃した人は「富士モータースポーツミュージアム」に見に行こう!

ノスタルジック2デイズ2025の富士モータースポーツミュージアムのブース

日本のモータースポーツを語る上で欠かせない2台を展示

富士モータースポーツミュージアムはオープンして以来初の単独出展として、「トヨタ 7」(社内コードは474S)と「セリカ ツインカムターボ」(ベースモデルの型式はTA64、社内コードは894B)という2台のヒストリック競技車両を「ノスタルジック2デイズ(2025年2月22日〜23日)」に展示していました。普段は同ミュージアムに展示されている、歴史的な2台を紹介します。

さまざまなレーシングカーを展示

富士スピードウェイに隣接する富士スピードウェイホテルの一角に、富士モータースポーツミュージアムがオープンしたのは2022年10月のこと。その名のとおり、モータースポーツに特化した自動車博物館として、まだモータースポーツの黎明期だったころのロードレース用のレーシングカーから最近のトップフォーミュラや耐久選手権用のレーシング・スポーツカー、あるいは世界ラリー選手権(WRC)で活躍したラリーカーまで、新旧さまざまなモータースポーツ参戦車両を展示している。そしてそれだけではなく、最近では隣接する富士スピードウェイを使用して展示車両の走行お披露目会など、多岐にわたる活動を展開している。

トヨタ 7は「日本Can-Am」で優勝したマシンをそのもの

トヨタ 7はその名の通りグループ7規定のレーシングカーで、鋼管スペースフレームに5L V8エンジンを搭載。1969年の富士1000kmでデビューレース・ウィンを飾り、10月の日本グランプリでは6Lエンジンを搭載した日産「R382」に後れを取ったものの、11月に行われたワールドチャレンジカップ富士200マイル、通称「日本Can-Am」では来日した本場のCan-Amマシンを破って見事優勝を飾っている。

今回展示されていたのは、この日本Can-Amで優勝したマシンそのもの。初期にはクローズドのクーペボディでテストされていたが、やがてオープントップのスパイダーとなり、ロングテールからショートテールに衝立のようなスポイラーつきのリアビューとなって実戦にデビュー。

日本Can-Amでは衝立のようなスポイラーごと切り取ってリアタイヤが見えるほどの超ショートテールにウイングつきへと仕様が変化していった。当時は、この仕様でCan-Amに参戦するものと期待されたが、残念ながらそれは叶わなかった。

1984年のサファリ・ラリーを制したマシン

一方のセリカ ツインカムターボは1983年シーズンの世界ラリー選手権(WRC)に向けて開発されたグループB車両で、実際の製作はドイツのケルンにあるトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE。現在のトヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ=TGR-E)で行われた。

4WDが勢力を拡大する中、フロントエンジンの後輪駆動のパッケージはアフリカのラリーで威力を発揮する。デビュー2戦目となるラリー・コートジボワールで優勝を果たすと翌1984年にはサファリ・ラリーで優勝を飾り、以後も1985年、1986年とサファリとコートジボワールを連覇している。

展示されていたのは1984年のサファリ・ラリーでビヨルン・ワルデガルド選手がドライブしてサファリを制したクルマそのもの。フロントのガードバーやフロントピラー脇に設けられた補助ランプなどがサファリ仕様であることを物語っている。またブリスタータイプの前後オーバーフェンダーをサイドスポイラーで繋いだルックスがとてもスマートだったことも印象的な1台だ。

展示された2台は「動態保存」されている

ブースでは収蔵車両のフォトカードなどオリジナルグッズも販売しながらミュージアムの認知度アップに努めていたが、今回展示されていた2台のヒストリック競技車両はいずれも実際に走行が可能な、いわゆる「動態保存」が徹底している。

じつは富士モータースポーツミュージアムに収蔵展示されている車両は、ほぼすべてが「動態保存」が行き届いている状態で、2025年1月25日には富士スピードウェイの本コース(の一部)を使って走行披露した(メインのラリーカー始まって予定よりも押してしまい、トヨタ 7はAパドックを数回往復し、セリカ・ツインカムターボはタイムアウトとなってしまったのは残念だったが)ことは、先日AMWでも紹介したとおり。今後もこうしたイベントを企画中とのことで詳しくはHPで確認されたい。

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