商用車らしさのなかに可愛らしさがある前期型“ワニ顔カングー”
個性的なデザインと高い実用性で、日本でもファンの多いルノー「カングー」。今回は、通称「ワニ顔」と呼ばれる前期型カングー2を10年にわたり愛用してきたオーナー、“レイパパさん”のカーライフを通して、その魅力とこだわりを紹介します。
保護犬ボランティアなど日々活躍して走行距離は11万km超に
カングー2には、マイナーチェンジによって異なる2種類のフロントマスクが存在する。前期型は通称「ワニ顔」と呼ばれており、“レイパパさん”が所有するのは、その初期モデル。ボディカラーは「ブルーアルジョン」と呼ばれるメタリックの入った水色で、3年落ちのディーラー認定中古車を入手した。
定年退職をきっかけに“人生最後のクルマ”を探していた“レイパパさん”夫妻は、気になっていたカングーを見に行ったディーラーでひと目惚れ。その場で購入を決めたという。現在の走行距離は11万7000km。日帰りドライブや、奥様の保護犬ボランティア活動で愛犬を乗せて活躍中だ。取材したときのイベントにも、愛犬のボーダーコリー“セシルちゃん”をラゲッジスペースに乗せて参加していた。
現行モデルであるカングー3も含め、ソリッドカラー車には新車時からクリアー層の塗装が施されていない。それゆえ、日本の高温多湿な気候では経年劣化が目立ちやすい。一方、メタリックカラーの車体はクリアー塗装が施されているため、年月が経っても比較的きれいな状態を保てる。
“レイパパさん”のカングーは、ブルーアルジョンでピカピカのボディを維持。メタリックであるメリットはあるが、その輝きにはオーナーの深い愛情が感じられる。
バン仕様の純正オプションを多数装着
購入した店舗には、当時「カングーといえばこの人」と呼ばれた名物店長が在籍していたため、カングーに似合う純正パーツを使ったオリジナルディーラーオプションが豊富に用意されていた。
フランスの商用車に以前から憧れを抱いていたレイパパさんにとって、この店舗との出会いはまさに理想的だったのかもしれない。
車体は日本仕様の「クルール」ではなく、本国仕様の商用車タイプを意識して、フロントバンパーとリアバンパーを黒樹脂タイプに変更。テールレンズの反射板も、同じく黒樹脂の商用タイプへ換装されている。
さらにユーロナンバーを装着したことで、現地のバンらしい雰囲気が一層高まった。ただし、甲府方面に愛犬とのドライブへ出かけた際、駐車場の係員に「アメリカ軍の車ですか?」と尋ねられたことも。そんなちょっとした“無国籍感”も、輸入車ならではの魅力なのだろう。
また、リアワイパーはあえて取り外し、スクエアなバックスタイルを際立たせるという工夫も見せている。
ホイールも内装も“可愛い商用車”に
純正装着のスチールホイール、通称「テッチンホイール」がこのモデルに非常にマッチしており、社外アルミに交換するのが逆に悩ましいほど。“レイパパさん”のカングーでは、これを白に再塗装することで、商用車らしさの中に可愛らしさを演出している。
内装にはカバナ製のシートカバーを装着。初期モデルのグレー基調の内装に合わせつつ、パイピングにはボディカラーと調和するライトブルーをチョイス。前オーナーがカスタマイズしていたという、エアコン吹き出し口やパネル類のボディ同色化も、そのまま活かされている。これがインパネの単調さにアクセントを加えている。
また、カングーは室内空間が広いため、夏場にはリア部分の温度が上昇しやすい。“レイパパさん”はポータブル扇風機を設置し、愛犬のための快適空間づくりにも余念がない。
次は阿蘇へ、愛犬とロングドライブ!
今後の予定として、11月の連休に毎年開催されている阿蘇山麓のカングーイベントへの参加を計画中。150台が集うこのイベントへは、東京から往復2400kmのロングドライブになる予定で、宿泊先やルートの検討も楽しみのひとつだという。
“レイパパさん”にとって、このカングーは「人生を豊かにしてくれるパートナー」。できる限り長く、免許返納の日まで乗り続けたいと思っているそうだ。これからも愛犬との旅、オーナー同士の交流など、多くの思い出をこの“ワニ顔カングー”とともに刻んでいくに違いない。
