A4が築いた成功を受け継ぐアウディ電動化戦略の核心的モデル
アウディジャパンは、プレミアムミッドサイズモデル「アウディ A5/A5アバント」に、2L直噴ターボディーゼルエンジンを搭載したTDIモデルを追加し、全国の正規ディーラーで販売を開始しました。また、今回のTDI導入を記念した260台限定の「アウディ A5/A5アバントTDI edition one」も同時発売となっています。
優れた燃費性能と驚異的な静粛性を両立するマイルドHVユニットを搭載
アウディ A5/A5アバントに、新たにTDI直噴ターボディーゼルモデルが加わった。初代アウディA4の成功を受け継ぐA5シリーズは、アウディの電動化戦略の中核モデルを担う。今回のTDI導入はその一環として重要な意味を持つ。
搭載されるのは、EA288 evo世代に属する2L直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンで、最高出力は204ps、最大トルクは400Nmを発揮。1750~3250rpmという広い回転域で安定したパワーを提供する。さらに7速SトロニックとAWDクラッチ付きクアトロシステムを組み合わせることで、力強い走行性能と優れた燃費を両立している。
燃費性能はA5 TDIで17.7km/L、A5アバントTDIで17.4km/L(いずれもWLTCモード)と高水準を達成。さらに、排出ガス対策としてツインドージング方式を採用し、2本のバランスシャフトによる静粛性とスムースな走行フィールも特徴だ。
このTDIモデルには、限られた条件下で完全な電動走行が可能な新開発の「MHEV plus」48Vマイルドハイブリッドシステムが搭載されている。PTG(パワートレインジェネレーター)により、最大18kWの電力アシストと、最大25kWの回生エネルギー取得が可能。信号待ちなどの停車時にエンジン停止中でもエアコンが稼働し、快適性にも配慮されている。ブレーキシステムには、iBRS(統合型ブレーキ制御システム)を採用。初期減速を回生ブレーキで賄う。
インフォテインメント面でも進化が見られる。11.9インチのバーチャルコックピットプラス、14.5インチのMMIタッチディスプレイに加え、助手席専用の10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイ(オプション)も用意され、直感的な操作性と高い視認性を両立している。これらによりドライバーを中心とした「ヒューマンセントリックデザイン」を実現し、ドライバーと乗員の快適性を高めている。
今回のTDIモデル導入を記念して、特別仕様車「edition one」が260台限定で発売された。S lineグレードをベースに、ダークアウディリングス、ブラックスタイリングパッケージ、ライティング&テクノロジーパッケージプロを標準装備。20インチ専用アルミホイールはブラックメタリック&マットネオジムゴールド仕上げで、マグネシウムグレーのアクセントパーツがエクステリアに個性を加える。
ボディカラーは、マグネットグレー、グレイシアホワイトメタリック、ミトスブラックメタリック、アスカリブルーメタリックの4色、インテリアはパステルシルバーで統一されており、上質さと独自性を兼ね備えたモデルに仕上がっている。
車両価格はA5 TDIクアトロが716万円、A5アバントTDIクアトロは741万円。限定モデルの「edition one」は、A5が856万円、A5アバントで881万円となる。
【AMWノミカタ】
新型アウディ A5/A5アバントTDIモデルに搭載されたEA288 Evoエンジンは、排気系に2個の尿素噴射装置を配置し、排気温度に応じたNOx分解効率を向上するツインドージングSCR、そして燃焼ごとの圧力変化をリアルタイムで検出し、インジェクションタイミングや噴射量を高精度で制御するシリンダー内圧センサーを備えたEA288の進化系だ。燃費とCO2排出を従来比で約5~10%改善するほか、Euro 6d-TEMP/6dの基準にも完全対応にしている。
また、高い静粛性と快適性を実現するために2本のバランスシャフトも装備されている点や、48V MHEV plusのハイブリッドシステムと統合できることも特徴のひとつだ。
新型A5は2025年2月に発表されたが、その際にはTDIモデルの発表はなく今回満を持しての登場となる。同じ馬力のガソリンモデルより25万円~35万円と価格はプラスとなるが、トルクフルでレスポンスも良く低燃費なこのTDIモデルを待ち望んでいた人は多いのではないだろうか。
