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激レアなBMWアルピナ「B6-3.5S」を30年越しの想いを実らせ購入!スーパーカーにも乗ったオーナーがこだわる理由とは

BMWアルピナ B6-3.5S

E30史上最強のモンスターBMWアルピナB6-3.5S

愛知県知多半島の海岸で開かれた「チッタ ミラマーレ」に、幻ともいえるBMWアルピナ「B6-3.5S」が姿を現しました。オーナーのOrthoさんにとって、このクルマは20年以上思い続けてきた夢の存在。希少性と高価格ゆえに長らく手にできませんでしたが、ついに巡り合い、生涯を共にすると誓った1台です。

南知多の海岸に集う欧州車たち

愛知県知多半島の内海海岸で開催されたミーティング型イベント「チッタ ミラマーレ」は、2000年までに生産された欧州車(4輪・2輪)のみがエントリーできるイベントである。主催者である「チンクエチェント博物館(名古屋市)」の期待どおり、1980~1990年代のヤングタイマー世代のクルマとオーナーたちが集結。大人のカーライフを楽しむための、1日限りの特別な集いである。

BMWのE30系3シリーズをベースとする「BMWアルピナ」は、1983年に西ドイツ運輸当局の認可を受け、正式な自動車メーカーとしてリリースした初めての生産モデルだ。中心となったのはBMW「323i」に端を発するスモールシックス搭載の「C1」および「C2」シリーズである。しかし、この時代には「B6」シリーズも少量生産され、いわゆる「ビッグシックス」を搭載するモデルも存在した。

当時のB6シリーズは、同時代のBMW M3を圧倒する走行性能を狙い、「B9-3.5(E28型5シリーズベース)」や「B10-3.5(E34型5シリーズベース)」などに搭載されていたビッグシックス直列6気筒SOHC3453cc・254psユニットを採用した。内外装はC1/C2と同じ仕立てだが、最終期にはブリスターフェンダーやエアロパーツを装着したE30系M3ボディにビッグシックスを搭載した「B6-3.5S」がごく少数作られた。

“Orthoさん”と30台は0年越しの憧れ

「チッタ ミラマーレ」に姿を見せたBMWアルピナは、そのB6-3.5Sの1台である。オーナーのOrthoさんは長年憧れを抱きつつも、あまりの希少性と高価格ゆえに手に入れることはなかった。約30年前、当時E30系M3に乗っていた“Orthoさん”は、B6-3.5Sの存在を知ったが入手は先送りにしていたのである。

その後、イタリア製スーパーカーを含む複数のクルマを乗り継ぎながらも、常にB6-3.5Sは頭の片隅にあった。そして7年前、ついにニコルによる正規輸入車が売りに出ていることを知り、「清水の舞台から飛び降りる」覚悟で、それまで愛用していた某国のクルマを手放し、30年越しの夢を実現させた。

“Orthoさん”がB6-3.5Sの魅力として挙げるのは、イベントに参加しても同じクルマと被ることがほとんどない希少性である。また、自身はBMWの入門としてE30型M3を所有したもあって、ブリスターフェンダーを持つM3ボディの魅力も大きなポイントだという。現在のB6-3.5Sは、過去オーナーが設置したと見られるストラット・タワーブレスを除けばほぼオリジナル。スモールシックスより大柄なビッグシックス搭載のため、ラジエーター背後にクーリングファンがないのも純正仕様である。

そのため、5月から11月まではオーバーヒート防止のためドライブはできない。それでも“Orthoさん”は、オリジナル性を可能な限り維持しつつ、この超レア車と生涯を共にすることを誓っている。

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