「そんなに欲しいなら買っちゃえば」のひと言で再スタート
20歳のときに初めてアウトビアンキ「A112」に出会い、その楽しさを忘れることができなかった才川仁之さん。さまざまなクルマを乗り継ぎ、家族と共に過ごす時間も重ねてきました。しかし「また乗りたい」という衝動と、奥さまのひと言に背中を押されて再び始まったビアンキ生活。現在は1985年式のA112アバルトとともに日常を楽しみ、初参戦した幸田ピッコロレース2025で堂々の3位を獲得しました。
移動手段としての満足感と「ワクワク感」はまったく別物
「20歳のときに初めて購入したクルマがアウトビアンキ A112のジュニアでした。その後、他ブランドのクルマにも乗りましたが、今回、幸田ピッコロレース2025で走らせた1985年式のA112アバルトは私にとって4〜5台目のビアンキになります。2014年に購入しました」
才川仁之さん(取材時年齢53歳)にとって、A112ジュニアで感じたステアリングの楽しさは忘れられず、また乗りたいという衝動に駆られて再び手に入れた。
「ビアンキを3~4台乗り継ぎ、結婚もしたし、大人なんだから4ドアセダンかな? と考え、ランチア テーマを買いました。結局、ランチア デルタエンジン仕様、アルファ ロメオエンジン仕様、フェラーリエンジン仕様と乗りかえることになって、さすがに自分の中でコレはイカンってことになりました(笑)」
これらのランチア テーマのほか、メルセデス・ベンツのワゴンも所有した才川さん。しかし、移動手段としての満足感はあっても、心をワクワクさせる楽しさはなかった。
「メルセデス・ベンツのワゴンに乗っていた頃に、いつもパソコンでA112の雄姿を見ていました。そうしたら奥さんが、そんなに欲しいなら、また買えばいいじゃない! って言ってくれて、えっ買っていいの? 本当に買っちゃうよ! と嬉しい展開になりビアンキ生活が再スタートしました」
自らの手で多くの作業を行った愛車で3位入賞
エンジンオーバーホールやクラッチ交換など、多くの作業を自分の手でこなしてきた才川さん。しかし最近は老眼の影響もあり、現在は信頼する佐賀県のスペシャルショップ「カーショップトリミ」に作業を託している。
「エンジン本体はほぼ何もしてませんが、ヘッドはそれなりにやっちゃっています。1度やって、最近またやり直しました。現在の仕上がり具合は最高潮です。A112は、ヘッドをちゃんとすれば、なかなか楽しいクルマになると思っています」
キャブはウェーバーのサイドドラフトで絶好調。外装もリフレッシュされ、ラリーカー風のスタイルに4灯フォグランプが輝く。街中で写真を撮られたり、子どもたちに手を振られるのも嬉しい瞬間だとか。
「今回の初参加、初レースが愛車との一番の思い出になりました。惜しくも3位でしたので、来年の2026年ピッコロレースにまた参加し、もっと上位を目指したいと思います」
2025年の幸田ピッコロレースで総合3位/750cc以上クラス3位を獲得。次回は表彰台の頂点も夢ではない。
