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R32スカイラインGT-Rのエアコンから異音発生!10万円超の修理を1万円以内に済ませるポイントとは【R32一病息災】

エアコンのスイッチを入れるとしばらく「キュイ〜ン」異音が発生。しかし、時間が経つと消える。音が消えたからと放置していると症状が悪化していくのは、モードアクチュエータに限らずクルマのありとあらゆる部分でも同じ。早期対応(修理)で修理費が大きく異なることが多い

もしもモーターまで壊れていたら…

平成元年に誕生した日産スカイラインGT-R(R32)を30年以上愛用している筆者が、夏本番を前にエアコントラブルに直面しました。スイッチを入れるたびに聞こえる「キュィ~ン」という音。その原因は、エアコンのモードアクチュエータ。新品部品は値上げされ10万円超えという状況ながら、早めの点検と分解修理によって工賃だけで解決できました。旧車オーナーにとって、季節の変わり目に欠かせないメンテナンスのポイントをお伝えします。

エアコンから異音!早めの修理でトラブル回避

日本の夏は高温多湿であり、年々気温が上昇してエアコンなしでは過ごせない。皆さんの愛車のエアコンは元気だろうか。

私の愛車である1992年式日産R32型「スカイラインGT-R」は、エアコンのスイッチをON/OFFするたびに、数秒間「キュィ~ン」と嫌な異音が出ていた。異音が出続けるわけではないため我慢はできるが、経験上、こうしたトラブルは放置しておくとろくなことはない。

いつもの千葉県にあるスペシャルショップ「MCR」に駆け込むと、異音の発生源はエアコンのモードアクチュエータ(風の吹き出し口を切り替えるための機構を動かす電気モーター)だと判明した。部品を調べてもらうと、新品がまだ購入できるとのことだ。しかし、この春に大幅な値上げがあり、価格はなんと10万7000円に跳ね上がっていた。少し前までは約4万円だったそうだが、それでも高価な部品である。

そこで相談してみると、分解修理が可能だと教えてもらった。モードアクチュエータを運転席足元(センターコンソール側)から取り外し、ケースを分解する。中身はモーターと樹脂製のギア、そして電気の接点という比較的単純なつくりであった。

分解してみると、私のモードアクチュエータはグリス切れを起こしており、各ギアのクリアランスがきつくなっていたことが異音の原因だと分かった。古いグリスをクリーニングし、ギアのバックラッシュを調整。新しいグリスを塗って組み直してもらったところ、異音は見事になくなった。

もしモーターまで壊れていたら、オーバーホールではなく一式交換するしかなかっただろう。しかし、早期に処置をしたこともあり、分解修理で済んだのは非常に幸運であった。交換した部品もなかったため、工賃のみで1万円以内で収まった。

調べてみると、リビルト品のモードアクチュエータも2万5000円から3万円ぐらいで出まわっているようだ。異音が出てきたら放置せずに、すぐに交換もしくは修理を依頼するのが賢明だ。モードアクチュエータが動かなくなると、エアコンの風の吹き出し口(モード)を切り替えることができなくなる。つまり、熱い空気が上から吹き出し、冷たい空気が足もとから出てくるなんてことにもなるし、何よりエアコンからの風を希望どおりの吹き出し口から出せなくなるわけだ。

これはモードアクチュエータに限ったことではないが「おかしいな」と思ったら、その車種に特化した専門店に相談し、早めに処置をしてもらうべきだ。ちなみに今回のような電気系パーツなら電装屋さんでも見てもらうこともできる。

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