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青春を謳歌した“三菱ランタボ”を再び購入!かつての昭和の走り屋が選んだ大人仕様のセッティング

三菱 ランサーEX1800ターボ

1980年代の風雲児!ハイポテンシャルなFRターボ

1980年代、若者たちは給料の多くをクルマにつぎ込み、峠を駆け抜けていました。なかでも三菱「ランサーEX1800ターボ(通称:ランタボ)」は、1.8Lターボで160psを誇る“遊べるFR”として人気を集めました。かつてこのクルマに青春を捧げた中村稔さん(56歳)は、不慮の事故で愛車を失ってしまいます。ところが長い時を経て、大人のドライブを楽しむ愛機として再び手に入れることができました。40年越しに始まった中村さんのランタボライフを紹介します。

インターネットで偶然見つけたランサーターボで蘇る青春の記憶

クルマの高性能化が進み、若者たちが愛車をいじくり倒し、走らずにはいられなかった1980年代は、FRライトウェイトスポーツが大人気となった。当時からトヨタ「カローラ・レビン/スプリンタートレノ(AE86)」は定番であったが、そのブームの陰で、知る人ぞ知るハイポテンシャルなターボ搭載モデルが存在した。それが遊べるFRとして人気を博した三菱ランサーA175……通称ランタボである。

1.8Lとしては驚異的な160psという強力なエンジンを武器に、峠道でライバル車に圧倒的なポテンシャルの差を見せつけた。また、モータースポーツでも国内外のラリーに参戦し大活躍。「ラリーの三菱」と言われるようになったひとつに、このランタボの輝かしい実績があった。

走り屋という言葉が生まれ、給料のほとんどをタイヤやガソリン代、パーツ代に費やしていた時代を思い出させるランタボは、昭和の峠ブームを経験した世代にとって今でもなお人気のモデルである。ここで紹介する中村稔さん(56歳)は、青春真っ只中の若いころにA175ランサーEX1800ターボGTを購入し、峠仕様にチューニングを施して走り回っていた経験を持つ。しかし、そのクルマは不運な事故に巻き込まれて廃車となった。

そこからしばらくチューニングカーに乗ることをやめていたが、たまたまネットで見つけたランタボの情報に懐かしさを感じ、再び乗ろうと決意する。クルマ選びは念入りに行った。自らも乗っていたため、当時の荒い使われ方をされていた実態を熟知している。中村さんは

「用心深く、当時よく出た不具合の検証も含めて、記憶を辿って程度の良い車体を探し出して購入しました」

巡り合った車体はエンジン、ミッション、デフに異常はなく、ボディもそれほど大きく傷んでいない。しかし、外装には傷みがあり、塗装のクリアがひび割れしている箇所があるため、今後は塗り直しを検討している。

純正スタイルを基本とする「大人のドライブ仕様」

購入後のチューニングは、昔のように峠を攻めるわけではなく、ライトな当時スタイルを楽しみながら快適に乗れるように施した。エンジンは無理をさせずに純正スタンダードのままである。経年劣化する水まわりやサクション系のホースを交換した。エアクリーナーも純正ボックス装着のノーマル状態をあえてキープ。エンジンルームでは唯一の社外品が、クスコ製ストラットタワーバーを装着させていることである。

足まわりもストリート仕様として、当時のようにガチガチに固めるのではなく、程よく動き快適に乗れるようにサスペンションを構成した。フロントは車高調サスにゆるめの直巻スプリングをセットして車高を落とした。リアはトヨタ「KP61型スターレット」用のサスを流用して取り付けている。

「街乗りではこの組み合わせがリーズナブルに楽しめて良いですね」

オーナーズクラブのつながりがあるから維持できる

ワタナベホイールを装着したA175ランサーEX1800ターボGTは、昭和のクルマならではの角ばったコンパクトなボディに、当時だからこそ体感できるパワフルなターボエンジンの加速が魅力である。すでに40年以上が経過しているため、補修パーツの入手は大変であるが、中村さんはランタボオーナーズクラブ「LEON」に所属している。

クラブには詳しい人物が多く存在するため、相談すると良い方向へと導いてくれる。旧いクルマの場合、とくにスペアパーツの入手が困難になるため、こうした仲間とのつながりは大切である。中村さんはこのつながりを活かし、日々楽しめるランタボライフを再び始めている。

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