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「妻は乗ってくれません(笑)」それでも最高!オースチン・ヒーレー「100-6」と楽しむヒストリックカー・ライフ

オースチン・ヒーレー 100-6:フロントに追加された大径のドライビングランプが、クラシックラリーの舞台で活躍したヒーレーの血統を感じさせる

子育て卒業後に再開した「ビッグ・ヒーレー」との生活

妙高高原の赤倉スキー場大駐車場で開催された「第3回スワップ&ミート・イン妙高」。毎回粒揃いの車種が集まることで知られるこのイベントに、今回も約50台のバラエティ豊かなエントラントが集まりました。そのなかでひときわ目を引いた1台が、”ビッグ・ヒーレー”の愛称で知られる英国スポーツカーの雄、オースチン・ヒーレー「100-6(ハンドレッド・シックス)」です。子育てという大きな仕事を終え、再びヒストリックカーの世界へと戻ってきたオーナーの愛情深いカーライフを紹介します。

名は体を表す! ヒーレー100-6は最高速100マイル=160km/h、6気筒モデル

オースチン・ヒーレーといえば、イギリスの民族資本系自動車メーカーが大同団結して生まれた「BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)」のオースチンが、ラリー競技などで活躍した経歴を持つエンジニア、ドナルド・ヒーレーに協業を申し入れ誕生したスポーツカーだ。今風に言えばダブルネームというか、コラボ製品というか。余談になるが、ジェンセン・ヒーレーやナッシュ・ヒーレーといったスポーツカーも、やはりドナルド・ヒーレー氏がかかわったクルマである。

ともあれ1952年のアールズコート・ショーでデビューしたそのロードスターは、当時のオープン2シーター・スポーツの文法に則った手堅い設計。エンジンはオースチンA90の2660cc 4気筒OHVの90psで、軽量なオープンボディには十分なパワーだった。車名となった”100″は、最高速度が時速100マイル(≒160km/h)超であることに由来する。当時としてはかなりの高性能車と言えるだろう。

進化を続けた「ビッグ・ヒーレー」の系譜と弟分の存在

オースチン・ヒーレーは本格的スポーツカーとして人気を博し、北米を中心に好調なセールスを記録するヒット作となる。100からスタートしたシリーズは次々に改良が加えられ、1957年にはヒーレー100-6と呼ばれる2639cc 6気筒エンジン搭載車がデビュー。レースやラリーなどモータースポーツの分野でも活躍し、さらに1959年には排気量2912ccのヒーレー3000 Mk.Iへと進化を続ける。

1961年から1964年にかけて生産された3000 Mk.IIを経て、シリーズのラスト・モデルとなる3000 Mk.IIIは1967年まで生産され、この時代の英国製スポーツカーを代表する車種のひとつとなった。15年の長きにわたって親しまれたヒーレー100〜3000を、クルマ好きは”ビッグ・ヒーレー”と総称するが、それは1958年にデビューしたライトウェイト・スポーツ、小さな弟分のオースチン・ヒーレー・スプライトに対してビッグだからだ。

アメ車遍歴を経て再びヒストリックカーの世界へ

一世を風靡したそんなビッグ・ヒーレー一族だが、近年の日本のヒストリックカー・シーンにおいては比較的少数派。ビッグ・ヒーレーの弟分、手軽で軽快なヒーレー・スプライトを見かける機会は多いので、余計にそんな印象を持つのかもしれない。そんな希少なビッグ・ヒーレーが参加していたのが、今回の第3回スワップ&ミート・イン妙高だ。

「オースチン・ヒーレー100-6で、年式は1958年です」

と話してくれたのは、オーナーのYさん。数年前に国内のショップでこのヒーレー100-6の売り物を見つけ、購入したとのこと。昔はカマロやトランザムなど、アメ車にも乗っていた。

「その後はしばらく趣味のクルマから離れていたのですが、子育ても一段落したこのタイミングでこのクルマを手に入れ、またヒストリックカーの世界に戻ってきました」

ツボを押さえた絶妙なサジ加減のカスタムと至福の「単独飛行」でイベントを満喫

「6気筒エンジンとなった最初のモデルですが、歴代のビッグ・ヒーレーのなかではとくに人気が高いわけでもないみたいです」

とご謙遜だが、50台だけ作られたホモロゲーション・モデル「100S」を思わせるアイボリーと濃紺2トーンのボディカラー、バンパーレスのフロントに追加された大径のドライビングランプ、レーシーなクイックフィラー・キャップなど、ツボを抑えたカスタムは絶妙なサジ加減だ。

室内にはカーナビやETCも備わり、現代の路上での使い勝手も問題ない。

「ただし妻は助手席に乗ってくれません(笑)」

というわけで、クラブや仲間内でのツーリング、そして各地のイベントへの参加を中心に素敵な”単独飛行”を楽しんでいるという。Yさんのオースチン・ヒーレー100-6は、これからもその快音を響かせ、各地の道を走り抜けていくに違いない。

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