「松戸まつり」でオーラを放った希少車!正式名称は「セリカ カムリ2000GT」!?
千葉県松戸市で開催された「松戸まつり」。市民祭として賑わうなか、JR松戸駅周辺の地下駐車場では、天候に左右されない併催イベント「まつどクラシックカー&スポーツカー フェスティバル」が開催されました。並み居る名車のなかで、トヨタのスポーツカーの代名詞である「T字型モール」が輝くフロントグリルを持つ「セリカ カムリ」が注目を集めていました。23年という長きにわたる眠りから目覚め、27年ぶりに復活を遂げたオーナー“アマンド7”さんの愛車と、その再生の軌跡をご紹介します。
「スポーティからスポーツへ」を体現した!まさに羊の皮を被ったFRスポーツセダン
上級のミディアムセダンとして、1980年(昭和55年)1月にデビューしたセリカ カムリ。ウエッジを効かせボディ後部を高くした直線的なボディラインのスポーツサルーンとして、カローラ店から販売された。
同年8月には、1968cc直列4気筒DOHCの18R-GEUエンジンを搭載し、電子制御燃料噴射装置EFIを装備した「2000GT」がラインナップに加わる。クイックステアリングに4輪独立懸架の足回り、強化ダンパーとスプリング、サーボ付き4輪ディスクブレーキを備えた最強スペックは、「スポーティからスポーツへ」というキャッチフレーズそのものであった。しかし、わずか2年後の1982年3月には2代目へとフルモデルチェンジしたこともあり、現在では現存数が極めて少ない超希少車だ。
2024年に続いて2回目の参加というオーナー“アマンド7”さんの個体も、まさにその2000GTである。リアウインドウに誇らしげに貼られた「DOHC」のステッカーが、その素性を物語っている。
23年間の眠りで進んだ激しい傷みと劣化「納屋もの」物件の再生に着手した
このセリカ カムリは、“アマンド7”さんが独身時代に乗っていた愛車であった。結婚を機に実家を出ることになり、それから23年間を実家の納屋で過ごすことになった。
「約23年、屋根の下でしたが放置していました。コロナ禍を機に2年半のレストア作業を経て、2022年に27年ぶりに復活しました」
当初は屋根の下に置かれていたが、荷物の整理などで年々少しずつ移動させられ、最終的にはトランクから車体後部が雨に晒される状態になっていた。いざ復活させようとしたときには、タイヤはサイドウォールまで裂け、ブレーキキャリパー、ローター、ハブもサビだらけの状態であった。
まずはクルマを動かすため、燃料タンクの掃除から着手したが、給油口や燃料の吸い込み口は、とくにひどいサビに見舞われていた。タンク内部も、何度も高圧洗浄を繰り返す必要があった。
サビよりも困ったカビだらけの内装との死闘!オーナーの根気あるDIYとプロの合わせ技
「サビよりも困ったのはカビだらけのシートでした。取り外して、天気が良い日にカビハイターでゴシゴシ洗って、高圧洗浄するという作業を何度か繰り返しました」
さらにフロアマット、フェンダーミラー、ホイールと、順番に汚れやサビの除去を続けていく。
「フェンダーミラーも、光沢が出るまで磨き倒しました。ガラス面も指が痛くなるまで磨いて、ようやくウォータースポットがなくなりました」
こうしたDIY作業を並行しつつ、傷みの激しいボディや機関の整備は専門店へと委ねた。 「旧車もフツーに動いて当たり前をモットーとした『THサービス』さんというショップがあり、こちらで鈑金やインジェクター、点火系のパーツ交換といった作業をしてもらいました」
「THサービス」は、トヨタ系旧車趣味人のなかでは「駆け込み寺」として知られる存在だ。“アマンド7”さんの個体も、お尻が屋根から出ていた影響でトランクのスペアタイヤスペースに穴が空き、左リアバンパー下の腐食も激しかったが、同ショップの手によって見事に修復された。
27年ぶりに蘇った18R-Gツインカムの咆哮!愛車の再生で得たイベント仲間との出会い
いよいよボディに色が入ったのは2021年5月中旬のこと。選んだのはもちろん純正色のモノクロームホワイトだ。懸案だった燃料タンクは、今後のサビの影響を考慮して新品のTE71カローラ用を流用して取り付けた。
無事にエンジンが始動し、オルタネーターの交換などを済ませて手元に戻ってきてからは、再びDIYでの作業を再開した。ラジエーター洗浄、ホース交換、ブレーキローターの研磨、フロントアッパーマウント交換、さらには各部のサビ落としと塗装。前後ブレーキキャリパーやマスターシリンダーのオーバーホール、デフおよびミッションオイルの交換といった、もはや「フルレストア」と言っても過言ではない作業を重ねた。
2022年の年末、仮ナンバーでの走行テストを経て、ついに車検を取得。
「DIYでの作業も楽しかったですし、こうしたイベントで出会った仲間たちも増えました。これからもこの生活を楽しんでいきます」
そう語る“アマンド7”さんの笑顔の横で、27年ぶりに公道復帰を果たしたセリカ カムリは、地下駐車場の蛍光灯の光を浴びながら誇らしくツヤツヤに輝いていた。
