F1直系のHRCと伝説のグループAカラーが融合!
2026年からF1にワークスのパワーユニットサプライヤーとして本格復帰するホンダ。そのモータースポーツ活動を主導するHRC(ホンダ・レーシング)が、大阪オートメッセ2026で2台の熱いシビックを公開しました。1台は、佐藤琢磨エグゼクティブアドバイザーをはじめとするトッププロが実走行とシミュレータで鍛え上げた、究極の機能美を誇る「シビック タイプR HRCコンセプト」。そしてもう1台は、大阪のファンには馴染み深い伝説の「ジャックスカラー」を纏った「シビック e:HEV RSプロトタイプ」です。F1直系の最先端技術から、往年のツーリングカーレースへの熱きオマージュまで。ホンダが提示する「操る喜び」の現在地を詳しくレポートします。
F1の知見を市販車へ! シビック タイプR HRCコンセプトの衝撃
2026年からF1にワークスのパワーユニットサプライヤーとして本格的に復活するホンダ。このホンダのF1復活に主体的に取り組むのは、本田技研工業の100%子会社でモータースポーツ専門会社のHRCだ。HRCはHonda Racing Corporationの略で、二輪では1982年からワークス活動を開始。四輪部門も2022年から合流し、F1やSUPER GT、スーパーフォーミュラなどに携わってきた。
そんなHRCが、大阪オートメッセでコンセプトモデルを公開。オンロードの「SPORT LINE」、オフロードの「TRAIL LINE」と2つの新ラインを打ち出しているが、とくに気になるのは「シビック タイプR HRCコンセプト」だ。
パープル/ブルー/レッドの派手なカモフラージュ柄がラッピングされたFL5型は、専用設計のエアロを装着。詳細は公表されていないが、すでにホンダの北海道・鷹栖テストコースで走り込んで開発を進めており、HRCのエグゼクティブアドバイザーの佐藤琢磨をはじめ、大津弘樹、岩佐歩夢も開発に携わっている。また、高精度シミュレータのDIL(Driver in the Loop:実車に近い感覚で運転できるシミュレーション装置)を使った解析も進めているという。
エアロ以外では、アクラポビッチ製のエキゾーストシステム(排気系)が採用されているのも確認できた。アクラポビッチは、スロベニアにあるヨーロッパ最大級のメーカーで、二輪レースの最高峰MotoGPなどでは主要チームに採用されている名門ブランドだ。チタンやカーボンを積極的に使用するため、高価な製品としても知られているが、それだけこのHRCコンセプトが「本気」だということを示している。
HRCサイドでは次のようにコメントしている。
「HRCサイドでは、「HRCで培った技術とレーシングドライバーの知見を生かして開発を進めています。第一線のレース現場で鍛えたHondaならではの操る喜びをさらに磨き上げた、HRC仕様のコンセプトモデルです」
市販化につながるかどうかは、この大阪オートメッセでの反響次第かもしれない。
伝説のジャックスカラー復活! シビック e:HEV RSが呼び覚ます走りへの情熱
そしてシビックといえば、ジャックスカラーにラッピングされた「シビック e:HEV RSプロトタイプ」にも惹きつけられた。こちらは、ハイブリッド車(e:HEV)のスポーティグレードとして新たに加わる予定の「RS」を、市販予定モデルとして出展。新型プレリュードに採用されたハイブリッドの新制御技術「Honda S+ Shift」を搭載している。サスペンションは専用チューニングが施され、ボディ剛性もアップ。2026年中の発売を目指すとされているが、それよりもこのカラーリングのインパクトが大きい。
ジャックスシビックといえば、グループA(全日本ツーリングカー選手権)の最終年、1993年に激戦のディビジョン3クラスで、奇跡的な逆転チャンピオンを決めた伝説のマシンだ。グループAのディビジョン3クラスは、シビックVSカローラの激闘の歴史でもあった。このテンロク(1.6L)クラスの走り屋御用達クルマといえば、関東ではAE86だったが、関西では圧倒的にシビックだった。
大阪環状線をホームとする「環状族」には、EF9やEG6といった歴代シビックが大人気だった。派手なカラーリングがよく似合い、グループAレプリカのカラーもお馴染みだ。漫画『大阪MADファミリー』にもジャックスカラーのシビックが登場しているので、グループA時代を知らない世代でも、このシビック e:HEV RSプロトタイプにはそそられるのではないだろうか。
ホンダの関係者は次のようにコメントした。
「ホンダによると「グループA最後のチャンピオンマシンのデザインをオマージュし、脈々と受け継がれる走りへの情熱を表現しています。操る喜びを継承するモデルとして、2026年中の発売を予定しています」
ハイブリッド車云々は抜きにして、大阪のシビックファンにはたまらないテイストだったはずだ。
