新車購入し31万キロ走破のスターレット!
オーナー溺愛具合がコンディションの証!!
石川県にある日本自動車博物館の駐車場で開催された金沢クラシックカーミーティングで、驚くべき1台に出会いました。真っ白なボディにボンネットのエアインテークが印象的な、トヨタ「EP71型 スターレットターボ」です。新車購入から40年が経過し、オドメーターはなんと31万キロを超えているにもかかわらず、内外装はピカピカの状態をキープしているのです。2度の大規模修復とエンジン載せ替えを乗り越えてきた、オーナーと歩んできたFFスターレットの物語を深掘りしてみましょう。
FRのKP61からFFのEP71に生まれ変わった
3代目スターレットの最上級スポーツモデル
会場内で真っ白なトヨタ「EP71 スターレットターボ」を発見した。オーナーの青木さんは、このクルマの前にKP61型スターレット(FR駆動)に乗っており、事故で廃車となってしまったため、このEP71型スターレットターボを新車で購入。以来40年間所有し続けてきたツワモノである。掲げているナンバーは新車当時に陸運局から渡されたものだ。
純正ホイールは傷むのを恐れて大切に保管しており、普段は社外のアルミホイールを装着しているそうだ。これが外観で唯一ノーマルではない点となる。この時代のスターレットターボには3ドアと5ドアが存在したが、圧倒的に人気だったのは3ドアだ。5ドアは現存数もかなり少ない激レアモデルとなる。
ちなみにターボモデルは、フォグランプを埋め込んだエアロフロントバンパーやボンネットのエアインテーク、リアスポイラーなどのほか、グリル内のturboエンブレム、シートバックやステアリングに刻まれたturboの文字などで識別できる。
「韋駄天ターボ」の異名を持つ下克上マシン
日本のホットハッチを牽引したスターレット
スターレットは、パブリカの後継モデルとして1973年に登場した。当初は一般的なFR(後輪駆動)レイアウトだったが、1984年登場の3代目モデルで思い切ってFF(前輪駆動)レイアウトを採用。さらに1986年にターボモデルを追加したことで、スズキ・カルタスGT-iやマーチターボ、ダイハツ・シャレード・デ・トマソといった錚々たるホットモデルとともに、国産ホットハッチというジャンルを確立した歴史的名車だ。
スターレットターボは、わずか1.3リッターのエンジンをターボ過給することで105psを発揮。最終型では最高出力110psにも達した。800kg未満のコンパクトなボディに搭載したことで、「韋駄天ターボ」という愛称の通り、スタートダッシュでは格上のレビン/トレノに迫る性能を誇るなど、かなりのじゃじゃ馬っぷりを発揮した。
15万キロ時にテクノクラフトでボディレストア
30万キロ時にエンジン載せ替えで31万キロ!
青木さんは1986年の新車購入時から現在まで、このクルマをファーストカーとして使い続けてきた。オドメーターの値は現在31万キロと、内外装の状態からは想像できないほどの走行距離だ。そのため、これまでに大きな修復を2度経験している。
1度目は走行距離約15万キロのタイミングで、トヨタ・テクノクラフトに依頼し、本格的なボディのレストアと各部のオーバーホールを実施した。その後も変わらず乗り続けた結果、今から約6年前、走行距離29万キロのタイミングでエンジンが不調となってしまった。
今度こそダメかと思われたが、たまたま新品のターボエンジン一式が売りに出されたことを知り、これを入手して載せ替えることとなった。こうして30万キロの壁を無事に突破。今もオドメーターの値は徐々に増え続けており、40年間変わることなく青木さんの相棒として走り続けている。
普段乗りからの愛情の注ぎ方に加え、ここぞという時の大胆な修復作業で労ってきた40年31万キロが、結果としてこのように素晴らしいコンディションで乗り続けられているのだろう。これはクルマへの果てない愛情もさることながら、もしかすると青木さんとKP61スターレットとの全損でのあまりに辛い別れが、いまのEP71スターレットへの愛情に移り変わっているのかもしれない。
