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F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリへと続くフェラーリ「288GTO」スペチアーレの始祖が10億円超え!?

585万5000ユーロ(邦貨換算約10億7700万円)で落札されたフェラーリ「288 GTO」(C)Courtesy of RM Sotheby's

フェラーリのスペチアーレ288GTOは別格扱い幻のグループBマシン市場価格どこまで高騰?

フェラーリ究極の限定車=スペチアーレ「ビッグ6」の開祖として知られるのが「288 GTO」です。2026年1月28日にパリで開催されたオークションに、15年間でわずか1kmしか走行していない同一オーナーの極上車が登場しました。幻のグループBのホモロゲーションマシンが、ついに10億円超えという驚愕のハンマープライスを叩き出したのです。この熱狂的とも言えるオークション現場と、その圧倒的な歴史的価値をレポートします。

特別なコンペティツィオーネマシンの288GTO
フェラーリ「ビッグ6」ハイパーカーは272台!

フェラーリ「250 GTO」は長年にわたり、往年のマラネッロが生み出した最高のレーシングGTと称されてきた。「グラントゥリズモ オモロガート(ホモロゲート済みGT)」という伝説のネーミングを復活させるに値するのは、この上なく特別なコンペティツィオーネマシンのみとされてきた。

沈黙を破るかたちで、その後継モデルが登場したのは1980年代。フェラーリが、今や伝説となったFIA「グループB」規定のもとでの参戦を決断した時期であった。同社のF1エンジンと308シリーズのチューブラーフレームシャーシをベースに大規模な開発プログラムが進行し、新たなスポーツカーレース用フラッグシップ「フェラーリ GTO」を開発し、それが通称「288 GTO」への誕生に至った。

しかし、レースシリーズの続行を待たずしてグループB競技が廃止されてしまうという、誰もが予想しえなかった事態が発生。フェラーリは、せっかく完成させたホモロゲートマシンを走らせる場を失ってしまう。でも幸いなことに、新生GTOは当時の性能基準を再定義するフラッグシップロードカーとして位置づけられた。

スタイリングは「308/328 GTB」を基にしながらも、288 GTOは明らかに一段上の存在。ボディワークの大半にFRPとカーボンコンポジットが採用され、ドアやトランクリッド、エンジンフードは軽量アルミニウムで成形された。

いっぽう、グループCマシン「ランチア LC2」の心臓部としてレースで鍛えられたツインターボ付き2855ccの90度V型8気筒4カムシャフト32バルブエンジンは400psを発生し、静止状態から100km/hまでわずか4.9秒で加速。最高速度は305km/hをマークすると標榜された。

GTOのインテリアは、ケブラーフレームのバケットシートにレザーを張り、オプションでエアコン、パワーウィンドウ、ステレオシステムを装備。でも、これらわずかな装備を除けば、GTOは性能を一切犠牲にしない設えとされていた。

288 GTOは、FIAグループBの要求する200台を超えながらも、わずか272台(ほかに255台説など諸説あり)しか製造されず、現在ではフェラーリの「ビッグ6」ハイパーカー群における偉大な起点として認知されている。

グループBカーの驚くほど純粋なホモロゲマシン288 GTOに10億円超えハンマープライスが…!?

このほどRMサザビーズ「PARIS 2026」オークションに出品されたフェラーリ 288 GTOは、現在では「ハイパーカー」と呼ばれるジャンルを1980年代から提示していた、きわめて魅惑的な一例と言えよう。単一オーナーによる控えめな使用と入念なメンテナンスを誇り、ノンレストアながら今なお美しいコンディションを誇示している。

シャーシNo.#52727は、288 GTOとしては18台目に製造された最初期生産の1台。このモデルにおける唯一の選択肢だった「ロッソ コルサ(レーシングレッド)」のボディに、ブラックの英コノリー社製「ヴォーモル レザー」インテリアが組み合わされた欧州マーケット向けスペックに設定され、ローマのフェラーリ正規代理店「Sa.Mo.Car Spa」を介して、フェラーリにとっては長年の優先顧客でもあった、製造業の大実業家に新車として納車された。

このファーストオーナーは、購入して間もない時期にはフェラーリを存分に楽しんだようだが、2010年11月にエミリア ロマーニャ州レッジョ エミリア近郊のフェラーリ認定ファクトリー「アウトフィチーナ ボニーニ カルロ(Autofficina Bonini Carlo)」社にて整備を受けた時点での走行距離は、わずか2万4243kmであった。

その後も走行距離は大幅に増加せず、カタログ作成時点の走行距離計は2万4244km。つまり、15年間でわずか1kmしかマイレージを伸ばしていないことになる。

特筆すべき重要なトピックは、2025年12月にフェラーリ クラシケの「レッドブック」による工場認定を受けたこと。これはエンジンとギアボックス/トランスアクスルが一致するナンバーであることを規定し、究極の真正性の証明となる。

加えてオーナーズマニュアルと純正のツールキットを完備し、保証書や整備明細書、イタリア語のリブレットで記録されたこのGTOは、マラネッロが生み出した1980年代のグループBカーの驚くほど純粋な一例として、40年後の現在に遺されているのだ。

熱狂のオークション会場で予想上回る落札価格!
コレクター愛か、金融商品で高額なのかは不明!?

このフェラーリ 288 GTOについて、RMサザビーズ欧州本社は「288 GTOは、フェラーリのビッグ6ハイパーカー群のなかで断トツの希少性を誇り、とくに単一オーナー歴の個体が公の場で出品されることはほぼ皆無。コレクションの完成を目指す熱心なフェラーリコレクターにとって、シャーシNo.#52727は伝説を手に入れる比類なき機会を提供します。」という宣伝文を添えつつ、450万ユーロ〜550万ユーロ(約8億3000万円〜10億1000万円)という、昨今におけるこのモデルの販売実績を考慮したであろうエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして、1月28日にパリ ヴァンドーム広場からほど近いルーヴル宮殿「サル デュ カルーゼル」で行われた競売では、エスティメート上限を大きく上回る585万5000ユーロ。つまり現在のレートで日本円に換算すれば、約10億7700万円という驚くべき価格で、壇上に立つ競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。

留まることを知らない円安ユーロ高に加え、こういった金融要素も帯びた国際的「商品」は要注意だと言っておきたい。スペチアーレモデルは、軒並み高騰している2026年の状況を思えば当然のことではあるのだろうが、単純に288 GTOもついに10億円突破してしまう時代となってしまった。その価格と価値が一致しているのか、背反しているものなのかは少し先の世代が答えを教えてくれるのだろう。

※為替レートは1ユーロ=184円(2026年3月22日時点)で換算

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