クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリへと続くフェラーリ「288GTO」スペチアーレの始祖が10億円超え!?
CLASSIC
share:

F40、F50、エンツォ、ラ フェラーリへと続くフェラーリ「288GTO」スペチアーレの始祖が10億円超え!?

投稿日:

TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: RM Sotheby's  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

グループBカーの驚くほど純粋なホモロゲマシン288 GTOに10億円超えハンマープライスが…!?

このほどRMサザビーズ「PARIS 2026」オークションに出品されたフェラーリ 288 GTOは、現在では「ハイパーカー」と呼ばれるジャンルを1980年代から提示していた、きわめて魅惑的な一例と言えよう。単一オーナーによる控えめな使用と入念なメンテナンスを誇り、ノンレストアながら今なお美しいコンディションを誇示している。

シャーシNo.#52727は、288 GTOとしては18台目に製造された最初期生産の1台。このモデルにおける唯一の選択肢だった「ロッソ コルサ(レーシングレッド)」のボディに、ブラックの英コノリー社製「ヴォーモル レザー」インテリアが組み合わされた欧州マーケット向けスペックに設定され、ローマのフェラーリ正規代理店「Sa.Mo.Car Spa」を介して、フェラーリにとっては長年の優先顧客でもあった、製造業の大実業家に新車として納車された。

このファーストオーナーは、購入して間もない時期にはフェラーリを存分に楽しんだようだが、2010年11月にエミリア ロマーニャ州レッジョ エミリア近郊のフェラーリ認定ファクトリー「アウトフィチーナ ボニーニ カルロ(Autofficina Bonini Carlo)」社にて整備を受けた時点での走行距離は、わずか2万4243kmであった。

その後も走行距離は大幅に増加せず、カタログ作成時点の走行距離計は2万4244km。つまり、15年間でわずか1kmしかマイレージを伸ばしていないことになる。

特筆すべき重要なトピックは、2025年12月にフェラーリ クラシケの「レッドブック」による工場認定を受けたこと。これはエンジンとギアボックス/トランスアクスルが一致するナンバーであることを規定し、究極の真正性の証明となる。

加えてオーナーズマニュアルと純正のツールキットを完備し、保証書や整備明細書、イタリア語のリブレットで記録されたこのGTOは、マラネッロが生み出した1980年代のグループBカーの驚くほど純粋な一例として、40年後の現在に遺されているのだ。

熱狂のオークション会場で予想上回る落札価格!
コレクター愛か、金融商品で高額なのかは不明!?

このフェラーリ 288 GTOについて、RMサザビーズ欧州本社は「288 GTOは、フェラーリのビッグ6ハイパーカー群のなかで断トツの希少性を誇り、とくに単一オーナー歴の個体が公の場で出品されることはほぼ皆無。コレクションの完成を目指す熱心なフェラーリコレクターにとって、シャーシNo.#52727は伝説を手に入れる比類なき機会を提供します。」という宣伝文を添えつつ、450万ユーロ〜550万ユーロ(約8億3000万円〜10億1000万円)という、昨今におけるこのモデルの販売実績を考慮したであろうエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

そして、1月28日にパリ ヴァンドーム広場からほど近いルーヴル宮殿「サル デュ カルーゼル」で行われた競売では、エスティメート上限を大きく上回る585万5000ユーロ。つまり現在のレートで日本円に換算すれば、約10億7700万円という驚くべき価格で、壇上に立つ競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。

留まることを知らない円安ユーロ高に加え、こういった金融要素も帯びた国際的「商品」は要注意だと言っておきたい。スペチアーレモデルは、軒並み高騰している2026年の状況を思えば当然のことではあるのだろうが、単純に288 GTOもついに10億円突破してしまう時代となってしまった。その価格と価値が一致しているのか、背反しているものなのかは少し先の世代が答えを教えてくれるのだろう。

※為替レートは1ユーロ=184円(2026年3月22日時点)で換算

12
すべて表示
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
著者一覧 >
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS