フェラーリF92Aの技術満載!
F1を公道用に適用させたマシン
2026年1月23日、RMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品されたフェラーリ「F50」は、新車価格5000万円hどでしたが、その新車価格を遥かに凌駕する約14億円で落札され、大きな話題となりました。なぜF50は、これほどまでに人々を魅了し続け、価格高騰を招くのでしょうか。その革新的なマシン構造と、オークションで想像を絶する高値で落札された背景を詳しく解説します。
フェラーリ50周年に相応しいモデル
F50が達成させた数々の技術革命とは
1984年に誕生した「GTO(288GTO)」に始まり、「F40」、「F50」、「エンツォ・フェラーリ」、「ラ フェラーリ」を経て、2024年に最新作たる「F80」が登場するに至ったフェラーリのスペチアーレ(特別限定車)ラインナップ。現在では「ビッグシックス」とも呼ばれるこのシリーズは、フェラーリのカスタマーやファンにとって、常に究極的な存在であり続けている。
このビッグシックスのなかでももっともスパルタンな、そして貴重な1台として、最近その人気を大きく高めているのが、1995年のジュネーブ・ショーで初披露されたフェラーリ創立50周年を記念して作られたF50だ。前作のF40はフェラーリの創立40周年を記念するアニバーサリーモデルとして1987年に発表されている。じつはF50が創立50周年の1997年よりも2年も早く生まれた直接の理由には、年々厳しさを増していく排出ガス規制への対応があった。フェラーリはF50を349台の限定車とし、そのすべてを1997年までに生産する計画を立てたのだ。
このF50で展開されたエンジニアリングは、まさに革命的ともいえるものだった。F40で使用されていた鋼管スペースフレームは姿を消し、その代わりにフェラーリは、基本構造体としてモノコックタブを採用。これはノーメックス(耐熱性に優れたアラミド繊維)製のハニカム材をCFRP(炭素繊維強化プラスチック)パネルでサンドイッチした一体成型型だ。その重量はわずかに125kgにすぎなかった。もちろんそれはF1マシンのモノコック製造に由来する超先進技術だった。
V12エンジンを構造体としてマウント
まさに公道を走るF1マシンを目指した
ミッド(車体中央)に搭載されたエンジンは、フェラーリ自身の伝統を振り返っても、また当時のF1マシンとのイメージ共有を考えても、V型12気筒以外に選択の余地はなかった。アルミ合金製のシリンダーヘッドに、ノジュラー鋳鉄(強度の高い鉄)製のブロックを組み合わせる手法は、これもまたF1用エンジンに共通するものだ。
とくに特徴的なのは、このエンジンをサブフレーム上に載せるのではなく、モノコックタブそのものにリジッドにマウントした点だ。つまりF50のV型12気筒エンジンは、それ自体も走行中のストレスを負担する構造体としての役割を担っていたストレスマウント構造となっているのである。サブフレームがなく軽量化を図れるだけでなく、エンジンユニットに直接足回りをマウントできることで剛性が上がり足回りの動きに無駄がなくトラクションも飛躍的に高めることが可能だ。
最高出力で513ps、最大トルクで470Nmを誇った4.7LのV型12気筒DOHC 60バルブエンジンには6速MTが組み合わされた。運動性能は、最高速325km/h、0→100km/h加速3.87秒という驚異的な数値を達成した。
着脱式のルーフを備えるボディはもちろんピニンファリーナによるもの。ピエトロ・カマルデラやロレンツォ・ラマチョッティによって率いられた同社のデザインチームは、F40のそれからは一転してダイナミックな曲面で構成された。そしてもちろん高性能な当時のF1マシンだったF92Aのノーズ部分をオマージュしたボンネットのボディデザインなどが見られるなど、テクノロジー面だけでなくデザインのエレメントでもF1直系マシンであることが表現されている。


































































































































































































