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傘のパーツを流用!? スズキ カプチーノに散りばめたオーナーの愛と小技

スズキ カプチーノ:パッと見は純正にも見えるが、フェラーリの深い赤で全塗装されたボディが、夕暮れの会場で美しく輝いていた

ディテールにオーナーのセンスが散りばめられた、さりげない小技が光るスズキ カプチーノ!

1990年前後のバブル期、潤沢な開発資金を背景に誕生した名車たち。日本独自の規格である軽自動車の分野においてもしかりであった。なかでもカプチーノは、分割式ハードトップを採用することで、「フルクローズ」「Tバールーフ」「タルガトップ」「フルオープン」という4通りのルーフ形状を楽しめる唯一無二の贅沢な機構を備えていた。新潟県糸魚川市で開催された「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ2025」の会場でひときわ目を引いた、大人のセンスが光る1992年式スズキ「カプチーノ」のさりげないカスタムに迫ります。

日本独自の軽自動車規格から生まれた「ABCトリオ」は各社の個性あふれるマイクロスポーツカー

安価で信頼性は高いが、趣味性には欠ける退屈なクルマ──。1960年代の国産車の多くは、そんな評価が一般的だった。しかしオイルショックと排気ガス規制の荒波をくぐり抜けた国産車は1980年代後半ごろから、走りの質や官能性能といった項目においても長足の進歩を遂げた。

とくにバブル景気時期、潤沢な開発資金を背景に生まれた1990年前後の国産車にはいまでも強く印象に残る名車も多く、それは日本独自の規格である軽自動車の分野においてもしかりであった。

オートザム AZ-1、ホンダ ビート、スズキ カプチーノ。ご存知のとおり、3台合わせて「ABCトリオ」などと呼ばれた軽自動車規格の本格スポーツカーである。AZ-1とビートがミッドシップレイアウトだったのに対し、カプチーノは一般的なフロントエンジンの後輪駆動という違いはあったが、いずれにしてもこの時代の日本でなければ生まれ得なかった個性あふれるマイクロスポーツカーたちだったと言えるだろう。

この時期に生まれた有名な国産車といえば、日産 スカイライン GT-Rやホンダ NSX、ユーノス コスモ、あるいはトヨタ セルシオなどの名が次々に思い浮かぶが、それらヘビー級に対し、日本スポーツカー史を彩った小さなABCトリオの存在もまた忘れることはできない。

年に数回クラシックカーイベントが開催される街
糸魚川に年式縛りのない新たなイベントを開催!

2025年11月1日(土)、新潟県糸魚川市で開催されたイベントが「第1回糸魚川クラシックスポーツカーフェスタ2025」だ。これは、年にいくつものイベントが開催され「クラシックカーの街」として知られる新潟県の糸魚川市で新たに始まったヒストリックカーイベントである。

イベント名には「クラシック」と謳われてはいるが、実際には年式の厳密な縛りはなく、会場に集まったスポーツカーは1957年のMG「A」から2010年式のフェラーリ「458イタリア」まで、バラエティに富んだ面々がおよそ50台。そんななか、往時のABCトリオの一翼を担ったスズキ カプチーノの姿も、もちろん会場内にあった。

細かなディテールにオーナーの趣味とセンスが散りばめられていた「さりげない」絶妙カスタム!

「もともと義妹が乗っていたクルマでしたが、彼女が手放すと聞いたので2008年に譲ってもらい、それ以来乗り続けています」

と語るのは、こちらの1992年式カプチーノのオーナー、桜井正人さん。このカプチーノ以外にも1975年式トヨタ「セリカ1600GT」などを所有するという自他共に認める国産スポーツカー好きだ。

このカプチーノ、パッと見た限りはフルノーマルにも見えるが、仔細に見ていくと細かなディテールにオーナーの趣味とセンスが散りばめられていた。

「元のボディカラーも赤でしたが、じつはフェラーリのような深い赤で全塗装しています。エンジン自体はノーマルですが、プーリーなどは交換、ショックもカヤバのストリートに交換しています」

と、そのこだわりは目に見えない部分にまで及ぶ。

ストラットタワーバーが奢られたエンジンルームから室内に目を移すと、各部はウッドパーツが奢られ、リアのバックランプはLEDに。さらにアンテナのカバーには傘の石突を流用(!)するなどの小技も。

そして、そのいずれもがもともとそうであったかのようにさりげなく、「やってやった感」が見られないのが好ましい。この絶妙なさじ加減も、長年旧車趣味を楽しんできたオーナーならではのものと言えるだろう。

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