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「ハヤブサ」エンジンを搭載したスズキ「キャリイ」のリアサスは「カプチーノ」流用! 実際にドリフトデビューした魔改造軽トラの詳細とは

AMEND プレデター:ベースとなったのは2005年式のDA63T型スズキ キャリイ

もはや同じなのはカタチのみ!? バイクエンジン搭載のドリフト軽トラ

ピックアップトラックをこよなく愛するアメリカのカーガイたちからも近年熱い視線が注がれている、日本独自のクルマ「軽トラック」。わが国では身近な存在だけにこれまでも多彩なカスタムが試みられてきましたが、今回紹介するのはドリフト志向の軽トラカスタムの極北とも言える1台。ベースはスズキ「キャリイ」ながら、もはや原形をとどめないスケルトンボディにバイク用1300ccエンジンをミッドシップする、文字通りの「魔改造」です。

異様なオーラを放つ真っ白な軽トラック

大阪オートメッセ2025(OAM)会場で発見したのは、AMEND(アメンド)というショップのブースに展示されていた明らかに普通じゃない軽トラック。パイプフレームが張り巡らされ、背面のパネルがないキャビンには運転席のみフルバケットシートが設置されているというなんともスパルタンな状態だ。

そんなフレームもキャビンも真っ白にペイントされ、ホイール&タイヤは車体から大きくはみ出している。とにかく車体全体から「普通じゃない」異様な雰囲気を放っているのだ。早速お話を伺ってみた。

「このクルマは、ドリフト競技用に製作した車両で、一応軽トラックの形状をしていますが、もはや原型はほとんど留めてません。荷台下にあったエンジンとトランスミッションは外していて、バイクのハヤブサ1300用をミッドシップに搭載しています」

ミッドシップにハヤブサエンジンを搭載

もはやあまり関係ないかもしれないが、ベースとなったのは、2005年式のDA63T型スズキ「キャリイ」とのこと。純正のラダーフレームにはキャビン部分にロールバーが追加されているが、その後方にはハヤブサエンジンを搭載するためのメンバーが追加されている。

使用されるエンジンは初代ハヤブサのW701型1300ccで、最高出力175psを発生する。この出力をチェーンで取り出したうえで、リアにワンオフで製作したデフを介してリアタイヤに伝達する仕組み。ちなみにリアも純正のリーフスプリングなわけはなく、スズキ「カプチーノ」のサスペンションをメンバーごと移植している。

そしてエンジン周辺にラジエターや燃料タンクを設置することで、重量バランスはレーシングカー並みに良いバランスとなっている。

2024年実際にドリフトデビュー! マシンの実力も証明済み

キャビン部分は大阪のESB製のフロントバンパーやボンネット、サイドアンダーカウル、リアウイングなどが装着されている。運転席はエンジンがなくなった分、フロアを下げることで、ドライバーのポジションを大幅に下げているほか、ペダル類もウィルウッドのレース用ペダルに置き換えられている。

ちなみにエンジンがバイク用なので、シフトレバーは必然的にドグミッションとなり、サイドブレーキも油圧化されており、完全にレーシングカーとなっている。

「プレデター」と名付けられたこの車両は、じつは2024年の大阪オートメッセにもエントリーしていたが、2025年は荷台のアオリもしっかり追加し、より軽トラらしさに磨きをかけてきた。さらに昨年実際にドリフトデビューを果たし、その実力をしっかりとアピール。今後もさらなる進化を期待したい1台だ。

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