特別な「レンジローバー スポーツSV」がグッドウッド・フェスティバルでアンベール
英国のランドローバー本社は、ラグジュアリーパフォーマンスSUV「レンジローバー スポーツSV」をベースに、精緻なモノクローム仕上げを施した新モデル「レンジローバー スポーツSVブラック」を発表しました。内外装に至るまで「ナービックブラック」で統一され、まるで「黒に浸された」ような佇まいを実現しています。このクルマの詳細を紹介します。
漆黒に宿るパフォーマンス&ラグジュアリー
ランドローバー本社は、フラッグシップSUV「レンジローバー スポーツSV」の新たな進化形として「レンジローバー スポーツSVブラック」を発表した。このモデルは、ラグジュアリーとパフォーマンスの融合に加え、圧倒的な存在感を放つモノクローム仕上げで注目を集めている。
最大の特徴は、ボディから細部まで「ナービックブラック」を採用していることだ。外装にはグロスブラック仕上げの23インチ鍛造アロイホイール、グロスブラックのブレーキキャリパー、カーボンファイバーボンネット、そしてクワッドエキゾーストを装備。さらに、ブランド初採用となるブラックセラミック製「SVラウンデル」バッジをリアゲートに装着している。フロントグリルのロゴやブランドバッジもすべて黒で統一され、まさに「漆黒の芸術品」と呼ぶにふさわしい仕様だ。
インテリアはエボニー・ウィンザーレザーで仕立てられたパフォーマンスシート、グロスグランドブラックの加飾、新開発の「SVブラック・イルミネーテッドトレッドプレート」などが装備され、外観と調和するダークかつ高級感あふれる空間を演出している。さらに、「ボディ・アンド・ソウル・シート」では音と振動によって乗員の心身をリラックスさせるウェルネス機能も備えている。
走行性能面では、専用開発された4.4L V8ツインターボMHEVガソリンエンジンを搭載。最高出力は635ps、最大トルクは750Nmと圧巻の数値を誇る。0-96km/h加速はわずか3.6秒、最高速度は約290km/hに達する。また、新開発のサスペンションシステム「6Dダイナミクスサスペンション」を採用し、卓越したコーナリング性能と快適性を両立している。
この「SVブラック」は、2025年7月10日から13日にかけて開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で一般公開された後、2025年末よりオーダー受付が開始される予定だ。なお、このモデルの日本への導入は現段階では発表されていない。
AMWノミカタ
ここ数年、富裕層の特徴的な購買行動を表す言葉として「クワイエット・ラグジュアリー」や「ステルスウェルス」が使われるようになっている。これは、派手さや過度なブランド主張を避けながらも、本物の高級感や価値を秘めたライフスタイルや製品を求める姿勢を指す。かつてブランドロゴを大きく掲げた「ラグジュアリー」は富の象徴とされていたが、近年では自己顕示と見なされることもあり、控えめで洗練されたスタイルが「本物の富裕層」の間で好まれるようになってきている。さらに、顧客はミニマルな見た目でも高機能な製品を求め、「機能美」に価値を置くようになった。
今回、本国で発表された「レンジローバー スポーツSVブラック」は、まさにそのような顧客の「審美眼」に訴えるモデルである。イギリス流のアンダーステートメントを貫きながらも存在感のあるデザイン、徹底的に「黒」にこだわったステルス性、そして内に秘めたSUVモデルらしからぬパフォーマンス。これらが現代的な「本物の贅沢」を求める顧客の心に強く刺さるのではないかと思う。
